2016年10月23日

歴史と人間に学ぶ戦略論 (3)

 『戦争論』 クラウゼヴィッツの思考形成プロセス

戦争論.jpg

 − 人生に勝つ! ビジネスに勝つ! “戦略論” について連載でお伝えしています。歴史や重大人物の去来について振り返ってみると、ビジネスの戦略に大きな知恵をさずかることができるでしょう。

 “プロに勝ったナポレオン軍”
 1815年、当時ナポレオンに勝てる戦法といえば世界最高のものである。クラウゼヴィッツは絶対の自信をもって 『戦争論』 の筆をとり、哲学的思考を駆使し、彼の研究と経験を普遍的な兵学として定着させた。

 『戦争論』 の主張を要約すると、次の8つである。

1.戦争はほかの手段を持ってする政治の継続にすぎない。政治は軍事に優先する。戦争は政治目的達成の手段である。
2.戦争には理論化できない部分がある。しかし、事実にもとづいて、できるだけ理論家を推し進めておかねばならない。
3.戦争には、敵の戦闘力撃滅を企図するものと、敵国領土の占領を企図するものの2種類がある。
4.軍の戦略は、これを指揮する将帥の精神力によって決まる。
5.流血をいとうものは、これをいとわないものによって必ず征服される。
6.まず敵の野戦軍をせん滅してから、その首都を占領せよ。(目的はパリ。目標はフランス軍、まずフランス軍を撃破してからパリを狙え)
7.共通の目標をかかげるだけで、具体的行動については統制しない訓令戦法
8.防御は攻撃よりも堅固な戦闘方式である。

 クラウゼヴィッツは、1780年、プロイセン(ドイツ)のマグデブルグ近郊に生まれた。父は退役陸軍中尉である。貧困で正規の将校教育を受けることができず、12歳でポツダム連隊に入って旗手となり、フランス革命戦争で初陣をかざった。

 1806年、クラウゼヴィッツはアウグスト王子に従ってイエナ会議に参加、故郷の地でさんざんに負け、フランスで捕虜生活を送る。

 彼はこの間じっくりと考えた。 「なぜ、ナポレオンの素人軍が勝ち、なぜフリートリッヒ大王いらいの伝統を誇るプロのドイツ軍が惨敗したか」 と。

 このように 『戦争論』 は、クラウゼヴィッツが戦史と歴戦の経験に基づき。。。
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【 戦争論(上) − カール・フォン・クラウゼヴィッツ 】



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2016年05月29日

歴史と人間に学ぶ戦略論(2)

 『戦争論』 クラウゼヴィッツの思考形成プロセス

− 人生に勝つ! ビジネスに勝つ!  ”戦略論”について連載でお伝えしていきます。”戦略論”って言ってもつかみどころがありませんが、歴史や重大人物の去来について振り返ってみると、とても面白いことが分かります。クラウゼヴィッツの 『戦争論』からお届けします。

『戦争論』を理解するには、まずプロセイン軍(ドイツ)の一参謀をして、この大著に取り組むきっかけとなった実際の戦史を振り返ってみましょう。

@ 『フリートリッヒ大王戦史』を読んだクラウゼヴィッツは、「政治と軍事の関係」 について開眼します。

 フリートリッヒ大王の戦争手段は傭兵制度、横隊戦術、倉庫給養を基盤とする機動戦略である。彼の戦争指導は外交を第1とし、開戦前に友邦を獲得することに全力を挙げました。

 実際の作戦計画の立案においても政治上の考慮を重視して作戦目標と作戦路を決定した。
こうして逐次占領地域を拡大して敵国の中枢部に迫り、この間に外交その他あらゆる手段を尽くして敵を屈服させ、有利なる講和を結ぼうとしました。

 彼は同戦史から 「政治と策応しない軍事は労多くして功なし」、「軍事は相手に負けまいとして限りなくエスカレートするので、政治のコントロールを必要とする」 という基本思想を学びました。

A 1796年のナポレオンのイタリア戦争、特に7、8月のガルダ湖畔の各個撃破作戦はナポレオンの天才ぶりを満天下に知らしめた鮮やかな戦いでした。

オーストリア軍の集中包囲圏内に陥ったが驚かず、かえって敵の分離に乗じて各個に撃破する決意を固めました。そして、ガルダ湖東南側地区に転身し、ここに主力を集結して戦機をうかがいました。

 このとき彼は部隊にじんそくな行動を要求し、重い大砲などはその場で土中に埋めさせたほどです。

 8月3日、ナポレオンはガルダ湖西岸の敵2万を襲って撃破し、返す刀で後方に迫ってきた敵の主力たる中央軍を撃滅して全ヨーロッパをあぜんとさせました。

 クラウゼヴィッツはこの作戦について 「ナポレオンがなぜ勝ったか」を徹底研究し、その決戦戦略と、“寡を持って衆に勝つ”(少人数で大勢に勝つこと) 内戦作戦の素晴らしい威力に驚嘆します。

B プロセイン国家の命運をかけたイエナの会戦では、ナポレオンの巧みな陣頭指揮によってプロセイン軍はひとたまりもなく追走してしまいます。クラウゼヴィッツは 「フリートリッヒ大王以来の伝統を持つ、誇り高きプロセイン軍がなぜあのように危うく完敗してしまったのか」 について徹底的に反省し、
 
 「戦いの勝敗を決するものは一にかかって将帥にあり、全軍の運命に与える影響のいかに甚大なものがあるか」 を肝に命じました。そして 「プロセイン軍は敗れるべくして敗れたのであり、ナポレオンに学び、軍を確信しなくてはならない。」 と奮起しました。

C 1808−1813年のナポレオンのスペイン戦争では、意外なことに、スペイン軍のゲリラ戦に悩まされます。当時、フランス軍11万7000人は5軍に分かれてスペイン各地に駐屯していましたが、そのうち4軍10万人がスペイン軍に攻めたてられて敗退もしくは投降してしまいました。

「ナポレオンでも勝てないことがあるのか」 というのがクラウゼヴィッツの感慨でした。彼は、ここで国民戦争の強さというものを認識します。

D 1812年のあの有名なモスクワ作戦を注視して、「ナポレオンでも敗れることがあるのか」 と驚き、「ナポレオンの命令戦法に限界がある」と感づきます。

 命令者の意図と部下の行動を示したものが「命令」であり、部下の行動だけを示したものは 「号令」、発令者の意図のみを示したものは「訓令」です。

 ガルダ湖畔の各個撃破作戦のような巧妙複雑な戦法は、「命令」を使わなくては演出できない。しかし、「命令」は騎馬参謀により伝達されていたので、戦場が騎馬参謀の行動範囲以上に拡大すると 「命令」戦法を使用することはできず、それ以上は 「訓令」戦法でなくては役に立ちません。

モスクワ作戦の失敗は、戦場は幅600キロ(東京―明石間)の長さに達していたにもかかわらず、「命令」戦法で戦っていたことが根本原因でした。

E ナポレオン軍とプロイセン・スウェーデン・ロシア連合軍は、1813年、ドレスデンで大規模な戦闘を行いました。この会戦でも確かにナポレオンは強かったのですが、しかしナポレオンのおもむかない戦場では、フランス軍はほとんど敗れました。
 
 対する連合軍は、「訓令」戦法を駆使し、ナポレオンの「命令」戦法を蹴散らしました。これを見たクラウゼヴィッツは。。。

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 (つづく)

 【 クラウゼヴィッツ ”戦争論” 】
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2016年05月15日

歴史と人間に学ぶ戦略力 (1)

 『戦争論』 ドイツ参謀本部のバイブル

 人生に勝つ。仕事に勝つ ”戦略論”について連載でお伝えしていきます。”戦略論”って言ってもつかみどころがありませんが、歴史や重大人物の去来について振り返ってみると、とても面白いことが分かります。まずは 『戦争論』からです。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 『戦争論』はヨーロッパにおける近代兵学の原点、不滅の兵学経典であり、その影響は広く世界の各国軍に及んでいるだけでなく政治・経済・文化の各方面に大きなインパクトを与えてきました。

 『戦争論』は兵書であると同時にあまねく欧米人の思想の底流をなしており、グローバルに働く者はもちろん、欧米人の考え方を知ろうとする者にとっても必読の書です。

 アメリカの経営学者 ピーター・F・ドラッカーの理論も、この『戦争論』に大きく影響されていたことは見逃せません。ドラッカーは次のように言っています。

 ◎ 企業発展のカギは不確実なものにある。
 ◎ 企業は危険性を負担し、その損失を回避するに足る利潤をあげることを考えよ。
 ◎ 決定には危険性と不確実性を伴う。従って決定のためには勇気を必要とする。
 
 ところが今から180年も前の 『戦争論』には次のような主張が載っているのです。

 ◎ 戦争は推測の世界であり、データの4分の3までは不確実である。知性を持って真相を見通すとともに、勇気と自信をもって不確実性を克服しなくてはならない。

 ◎ 戦争では予想外の出来事が多い。情報が不確実の上、偶然が多く働くからである。洞察力と決断力が必要である。
 ◎ 知性を働かすには、その前に勇気の感情を喚起しておかねばならない。

 ◎ 戦争には危険・肉体的労苦・不確実性・偶然性という4つの困難がある。将師はこれに打ち勝たねばならない。

 『戦争論』 は兵書であり、もともと経営や処世法などとは全然関係のないものですが、「不確実性」という言葉一つを取り上げてみても意外に共通性のあるのに驚きます。

 しかし、考えてみればこれは当然のことで、経営も兵法も組織の効率的運用を目指すものであり、経営者も将師も組織を率いて勝負を争い、あるいは激動する情勢の中で困難を乗り切っていかねばならない重責を担っている点は同じです。

 経営幹部が兵書から学ぶべきことや共感することは非常に多いはずです。

 『戦争論』が、なぜこのように今日でもその光を失わない永遠の古典となっているのか。それは 『戦争論』が、単なる学問ではなく。。。 ここから先はメルマガ ”熱血日記” を購読してお楽しみ下さい。
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 (つづく) 次回は【クラウゼウィッツの思考プロセス】です。


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2013年12月11日

MBA (経営大学院)の知識 (7)

 欧米企業の経営陣の多くはMBAを取得しています。

 ハーバード・ビジネススクール、MITスローン・スクール、UCLAアンダーソン・マネジメント・スクール、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント、スタンフォード大学経営大学院など、多くの名門ビジネススクールがあります。

 国際競争が激化する中で、若手ビジネスマンが、欧米のビジネススクールに2、000万円もの準備金を貯めて2年間留学しなくとも、知識だけならばこのブログを毎日見ていれば、欧米のビッグビジネスの経営陣と対等になるようなインフラを作ります。

  MBAの知識 (7) ベーシックス

  − 強さと弱さを見極める SWOT分析

 これまで見てきた外部分析による市場機会の見きわめ、内部分析による自社の強み・弱みの見きわめを総称してSWOT分析という。

 SWOT分析は議論するプロセスにこそ意味がある。

 【 SWOT分析とは 】

 内部環境分析によって導かれた強み (Strength) と弱み (Weakness) 、外部環境分析によって導かれた脅威 (Threat) と機会 (Opportunity) の分析をそれぞれの頭文字をとってSWOT分析と呼ぶ。SWOT分析は経営環境の把握と戦略の策定のために非常に有効な手法である。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

 まずはたたき台として、思いつく全ての項目をSWOTの軸で書き出し、その各項目が本当に強み、弱みか、なぜそうなのか、どうしたら弱みを強みにできるのか、本当に強みとして挙げられている項目は妥当か、などを議論することが大事である。

 自社の強みと機会が重なるものが 「最大の機会」、自社の弱みと脅威が重なるものが 「最大の脅威」 となる。

 外部環境を的確にとらえて、自社の強みを活かし、弱みをカバーする戦略をたてることが望まれる。

  【 SWOT分析による戦略 】

          機会 (Opportunity) 脅威 (Threat)

強み   △自社の強みを使って優位に進め     ▲自社の強みが脅威に
(Strength) られる事業は何か?            打ち勝つ方法はないか?
     (最大の機会)              他社には脅威でも自社の
                          強みで脅威を機会に変え
                          られないか?

 弱み   △自社の弱みを改善して機会を取り    ▲最悪の事態を回避する 
(Weakness) 込むことはできないか?         方法は何か?
                         (最大の脅威)


  【 通信市場におけるNTTとソフトバンクYahoo!BBのSWOT分析 】

  ≪ NTT ≫

  S − 【強み】 ( 内部環境 )
      圧倒的な認知度
      信頼性

  W - 【弱み】 ( 内部環境 )
      スピードの遅さ
      やや官僚的なイメージが漂う

  O - 【機会】 ( 外部環境 )
      音声、データ
      通信需要の伸び

  T - 【脅威】 (外部環境)
      IP化の流れ?
      (IP - Internet Protocol インターネットによるデータ通信規格)


  《 ソフトバンク Yahoo!BB 》

  S ‐  【強み】 ( 内部環境 )
       Yahoo! の認知度
       ”ソフトバンクだから何かするだろう” という期待感
       スピード感

  W ‐  【弱み】  (内部環境)
       オペレーションの信頼性の低さ
       財務基盤

  O ‐  【機会】  (外部環境)
       IP化の流れ
       音声、データ、通信需要の伸び

  T  - 【脅威】  (外部環境)
       さらに効率の良いIP技術の参入
       他のキャリアによる包囲網 

( 引用: 図解 わかるMBA ) 

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2013年11月27日

MBA (経営大学院) の知識 (6)

 欧米企業の経営陣の多くはMBAを取得しています。
ハーバード・ビジネススクール、MITスローン・スクール、UCLAアンダーソン・マネジメント・スクール、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント、スタンフォード大学経営大学院など、多くの名門ビジネススクールがあります。

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  MBAの知識 6 ベーシックス
  
  【 自社内にある競争力の源泉は? 内部分析: バリューチェーン  】

 前回は、まず外部分析により魅力的な市場を探すという戦略アプローチを見たが、ここでは内部分析により自社の競争力の源泉を探るツールとして、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ポーター教授の提案した ”価値連鎖 (バリューチェーン)” を紹介したい。

 価値連鎖とは製品またはサービスが最終顧客に届くまでの付加価値の連鎖をさし、自社内のこの付加価値プロセスを個別に見てゆくことで、どこが他社と比べて優れているか (競争優位の源泉) または劣っているかが明らかになってくる。

 価値連鎖はその事業が作る付加価値の全てを表し、それにマージン (利益) がのってくる。価値を作る活動には主活動と支援活動があり、要素は下記のテーブルのとおりである。

 ただし何を主活動とし、何を支援活動とするか、また活動の順番などは事業によって多少のばらつきがあることは意識したい。また、この価値連鎖は企業全体よりも、事業ごとに定義すべきであろう。

  【 バリューチェーン (価値連鎖) 】

  《 企業の競争優位を見るためには、それぞれの主活動がどれくらいの付加価値を生んでいるかを分析する必要がある》

  ”支援活動 (ロジスティックス)”

  全般管理(インフラストラクチャー) → マージン
  人材マネジメント          → マージン
  研究開発              → マージン
  調達                → マージン

  ”主活動 (プロフィットセンター)”

  購買・物流 → 製造 → 出荷物流 → マーケティング・販売 → サービス  =>  マージン

  それぞれの主活動が生む付加価値が、最終的に顧客まで届いていく連鎖をバリューチェーンという。会社にとってはコストセンターにあたる ”支援活動” においても、各ユニットをいかに低コストで効率よく回すかというところにマージン (利益)が生まれる余地はある。
          
     (引用: M.Eポーター 『競争優位の戦略』)

 さて、トヨタ自動車の価値連鎖を見ると、プロセスの一つ一つが競争力の源泉となり、かつ全体が見事に調和している。

  【 トヨタ自動車のバリューチェーン 】

    ”支援活動 (ロジスティックス)”

  インフラ: 日本トップクラスのIT システム → マージン
  研究開発: トヨタ中央研究所を中心とした開発体制 → マージン
  人的資源: 豊田市を中心とした ”トヨタイズム”、”カイゼン活動” → マージン

     ”主活動 (プロフィットセンター)”

  購買・在庫 → 生産 → 保管と物流 → 
  《 カンバン方式: 必要なものを必要なときだけつくる、という理念のもと、在庫を出来るだけ持たない効率的な生産方式》

  → セールス・マーケティング → ディーラー・サポート、カスタマー・サービス
  《 系列ディーラー/ ネット販売チャネル》 → マージン

 = 系列部品メーカー群: デンソー、アイシン精機、東海理化など =

 ( 引用: 図解 わかるMBA ) 


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2013年11月17日

MBA(経営大学院)の知識 (5) 

 欧米企業の経営陣の多くはMBAを取得しています。
ハーバード・ビジネススクール、MITスローン・スクール、UCLAアンダーソン・マネジメント・スクール、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント、スタンフォード大学経営大学院など、多くの名門ビジネススクールがあります。

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  MBAの知識 5 ベーシックス
  
  【 ねらっている市場は本当に魅力的か? 5つの力分析 】

 外部環境分析において業界分析をより有効なものとする手段として、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は次の5つの競争要因分析を提案している。

 @ 新規参入の脅威
 A 業界内の競争業者の敵対関係の強さ
 B 代替品の脅威
 C 買い手交渉力
 D 売り手 (供給業者)交渉力

 この5つの競争要因が業界の投資収益率、さらに業界の魅力を決定するとしている。シンプルだが、これらを順に見ていくと、業界の収益構造の特徴や、競争のキーポイントを発見したり、将来の競争の変化を予測することができる。

 しかし、それ以上に業界の魅力や業界内の競争的地位は絶えず変化するものだという認識を持つことが重要である。

 したがって5つの力分析は一度作って終わりではない。現状認識をベースに5つの力分析を行ない、戦略を立てたならば、自社がその戦略を実施した場合、5つの力がどう変化するかを予測し、将来の分析を行っておく必要もある。

 【 5つの力分析の使い方 】

 ここでコアとなる部分は 《2業界内の競争関係》 である。

           《1新規参入の脅威》

                ↓

《5売り手の交渉力》→《2業界内の力関係》←《4買い手の交渉力》

                ↑
           《3代替品の脅威》


《 1 新規参入の脅威 》 

新規参入の脅威は、参入障壁がどれくらいあるか、参入業者に対して既存業者がどれくらいの反撃を起こすと予想されるかによって決まる。参入障壁の強さは以下のチェックポイントで確認する。

 ◎ 業界内に規模の経済性 (一定期間における絶対的生産量が増えるほど一製品あたりの生産コストは低下する) が働いているか?

 ◎ 既存企業の製品が差別化されているか?

 ◎ 企業のブランドが構築されているか?

 ◎ 巨額の投資が必要か?

 ◎ 既存企業の顧客が取引先を変えるのにコストがかかるか?

 ◎ 流通チャネル (販売網) の確保が必要か?

 ◎ 既存企業にコスト面での優位性があるか?

 ◎ 参入に対する政府の規制があるか?

  上記の質問が正しい場合、業界の参入障壁は高いことになる。参入障壁が高い場合、または、参入業者が既存企業からの強い反発を予想する場合、業界における新規参入の脅威は低いことになる。

 《 2 業界内の競争関係 》

 業界内の競争関係は、以下のポイントで確認できる。
 ◎ 同業者数が多く、同規模の会社が多いか?
 
 ◎ 業界の成長が遅いか?

 ◎ 固定コストが高い、または、在庫コストが高いか?

 ◎ 製品が差別化されているか?

 ◎ 買い手が取引先を変えてもコストがかからないか?

 ◎ 生産量を小幅に増やす時、過剰キャパシティーの状態になるか?

 ◎ 競争業者の戦略は多様であるか?

 ◎ 戦略が良ければ成果が大きいか?

 ◎ 撤退障壁が大きいか?

  上記の質問が正しい場合、業界内の競争業者の敵対関係が強いことになる。

 《 3 代替品の脅威 》

 現在の商品よりも優れた代替物に取って代られるのは長期的には最大の脅威かもしれない (ランプが電球に取って代わられた結果、趣味の世界でしか存在できなくなったように)。以下のポイントで確認する。

 ◎ 代替品が、ある製品に対して価格対性能が良くなるものであるか?

 ◎ 代替品が、高収益を上げている業界によって生産されているか?

  上記の質問が正しい場合、代替品の脅威は高いと言える。代替品が他業界によって供給されているのであれば、代替品に対抗する業界は企業連合として代替品を供給する業界に対抗していかなければならない。

業界内企業は、品質の改善、広告・マーケティング活動、製品用途の拡大など共同活動によって、代替製品供給業界に対抗することができる。

代替製品に対する対処策として、
 @ 迎え撃ち叩きつぶすという断固とした戦略、
 A 避けられない強敵として対処する戦略がある。


 《 4 買い手の交渉力 》
 買い手は値下げを要求したり、より良い製品やサービスを求めたり業界内の競争関係に影響を与える。買い手の交渉力は以下のポイントでチェックできる。

 ◎ 買い手が集中化していて大量購入するか?

 ◎ 買い手が購入する製品・サービスが、買い手のコストや購入物全体に占める割合が大きいか?

 ◎ 買い手が購入するのは標準品や差別化されていないものか?

 ◎ 買い手が取引先を替えるコストが安いか?

 ◎ 買い手が売り手の事業に進出する意図があるか?

 ◎ 買い手の購買物が買い手の製品やサービスの品質にほとんど関係ないか?

 ◎ 買い手が十分な情報をもっているか?

 ◎ 消費者の購入決定に影響力を行使できるか? (卸売業者、小売り業者の場合)

  上記の質問が正しい場合、買い手の交渉力は強いことになる。売り手は買い手を選択することで買い手の交渉力に対抗していくことができる。

 
 《 5 売り手の交渉力 》 
 売り手(供給業者)は値上げや低品質化などによって買い手に対して交渉力を行使する。買い手がコストの増加を自社製品やサービスの値上げで補えない場合、売り手の交渉力は大きな脅威となる。
以下は売り手の交渉力のチェックポイント。

 ◎ 売り手の業界が少数の有力企業からなり、買い手の業界よりも集約的か?

 ◎ 買い手の業界が売り手グループにとって重要顧客ではないか?

 ◎ 供給業者の製品が買い手の事業にとって重要な仕入品か?

 ◎ 供給業者の製品が差別化されていて、他の製品に替えると買い手のコストが増加するか?

 ◎ 供給業者が買い手の事業に進出する意図があるか?

  上記の質問が正しければ売り手の交渉力は強いことになる。また、労働力も一種の ”売り手” と考えられる。上記のようなポイントに加えて、労働力の組織化の度合いや労働力の供給が増やせるかどうかという点も、売り手の交渉力を決める要因になる。

 【 ケーススタディ 】

 ここでは、15年ほど前、規制緩和によって業界地図が様変わりした通信業界における5つの力の変化を見てみよう。

 = 規制緩和前の通信業界 =

        《 1 新規参入 》
  ◎ 規制によりほとんど新規参入なし

        《 2 業界内の競争関係 》
  ◎ 国内はNTT独占で海外は住み分け

        《 3 代替品 》
  ◎ 電話を脅かす代替品はほとんど存在せず

        《 4 買い手 》
  ◎ 通信サービスに差別化余地があることを知らず注文をつけない顧客

        《 5 売り手・供給業者 》
  ◎ 電電ファミリー業界による、価格、量ともに安定した供給


 = 規制緩和後の通信業界 =

        《 1 新規参入 》
  ◎ 国内外の企業各社が新技術をテコに続々と参入する状態

        《 2 業界内の競争関係 》
  ◎ NTTグループ内競争
  ◎ 新規参入企業
  ◎ 大手企業の既参入組で価格競争化

        《 3 代替品 》
  ◎ 無線
  ◎ 光ファイバー
  ◎ DSL等さまざま

        《 4 買い手 》
  ◎ 通信はサービス業であり、内容・価格にバリエーションがあることを知り、厳しく選択する傾向

        《 5 売り手・供給業者 》
  ◎ 旧電電ファミリー企業も生き残りのために条件交渉

 
 ( 引用: 図解 わかるMBA ) 



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2013年11月14日

MBA (経営大学院) の知識 (4)

 欧米企業の経営陣の多くはMBAを取得しています。
ハーバード・ビジネススクール、MITスローン・スクール、UCLAアンダーソン・マネジメント・スクール、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント、スタンフォード大学経営大学院など、多くの名門ビジネススクールがあります。

 国際競争が激化する中で、若手ビジネスマンが、欧米のビジネススクールに2、000万円もの準備金を貯めて2年間留学しなくとも、知識だけならばこのブログを毎日見ていれば、欧米のビッグビジネスの経営陣と対等になるようなインフラを作ります。

  MBAの知識 4 ベーシックス
  
  【 限られた資源をどう使うのか? プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)】

 多くの事業部を傘下に持つ企業は、個別の事業戦略のみでなく、全社的に見て最適な資源配分がなされているかを見る必要がある。
  
 複数事業部間の最適資源配分を考える際の有力なツールとして、ボストン・コンサルティング・グループ (BCG) のプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント (PPM) がある。

 このPPMは、 
「限られた資金・資産を有効に活用するために、資金を生み出す事業と、資金を投入しなくてはいけない事業を区別し、それらをバランスよく組み合わせなくてはならない」 という考えの下に作られ、その前提は、

 @ どのような市場も時とともに成長が鈍化する。
 A 成長性の高い事業は資金投入が必要である。
 B マーケットシェアの高い企業のほうが高収益を上げ、資金を生み出すチャンスが大きい。

 の3点である。

 PPMでは @ 成長性の高い事業か? A 相対的にマーケットシェアが高い事業か? の二点で自社の事業を4つに区分する。

 − 花形商品  − 金のなる木  − 問題児  − 負け犬  

 BCGのプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの概要図は、市場成長率と相対市場シェアが高いか低いかで区分される。

          【 相対市場シェア】
              <高い>       <低い> 

【市場成長率】
<高い>     花形商品        問題児
         ( Star )   ( Question Mark )

    金のなる木         負け犬
<低い>     ( Cash Cow ) ( Dog )

まず、 「花形商品」 とは成長期にある高マーケットシェア事業である。この商品は利益は出るかもしれないが、成長期にあるため投資も必要となり、フリー・キャッシュフローは少ない可能性がある。

 市場の成長が鈍化すると高シェア商品はあまり追加投資の必要がなくなり、フリー・キャッシュ・フローが大きくなる。これが 「金のなる木」 で、英語では Cash Cow (資金を搾り出せる牛) という。

 「問題児」 とは成長期にある市場においてシェアが低い事業のこと。市場が成長している間にシェアを高めないと見込みがないというPPMの理論からすると、さらなる資金追加をしてシェアを高めるべきか否かは重要な意思決定となる。

 「問題児」 がシェアを高められずに、そのまま市場の成長率が下がってしまうと 「負け犬」 となる。 これは見込みがないので理論上は撤退すべきとなる。

  例えば、キャノンは大昔、1970年代には既存事業のカメラ以外に多角化を図ったものの、電卓、コピー機など当時としてはまだどれも弱く、 「問題児 Question mark」 を抱えていた。

 当時のポートフォリオの悪化は財務状況の悪化にも現れ、1975年には無配転落の目にも遭った。

 ところが、経営資源を集中させた結果、90年代に入ってからは、インクジェットプリンター ( 「花形商品 Star」 )や、小型プリンター ( 「金のなる木 Cash Cow」 )に、恵まれ、見事にポートフォリオも財務の健全性も達成した。
 
 ( 引用: 図解 わかるMBA ) 



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2013年11月13日

MBA(経営大学院)の知識 (3) 

  欧米企業の経営陣の多くはMBAを取得しています。

 ハーバード・ビジネススクール、MITスローン・スクール、UCLAアンダーソン・マネジメント・スクール、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント、スタンフォード大学経営大学院など、多くの名門ビジネススクールがあります。

 国際競争が激化する中で、若手ビジネスマンが、欧米のビジネススクールに2、000万円もの準備金を貯めて2年間留学しなくとも、知識だけならばこのブログを毎日見ていれば、欧米のビッグビジネスの経営陣と対等になるようなインフラを作ります。

  MBAの知識 3 ベーシックス
  
  【 何のための会社なのか ?】

 経営理念 (企業理念と同義) とは、企業の存在意義や使命 (ミッション) といった、企業の基本的な目標や価値観、行動原則などを明文化したものである。

 経営理念によって初めて経営陣と社員、その他利害関係者 (ステークホルダーと呼ばれる) の間で目標、価値観、考え方を共有し、共通の目標に向かって一丸となることが可能になる。

 経営理念は、ビジョンやミッションと同様の言葉として語られることが多い。

 経営理念やミッションの時間軸は、基本的には組織の存続している期間が想定されており、組織にとって普遍的なものと位置付けられる。ゆえに、ビジョンによって将来のある特定の中期的な目標を示す例もある。

 もちろん経営理念は絶対に変更不可能なものではないが、そう頻繁に基本軸を変えるものではない。また、その普遍性ゆえに、必ずしも経営理念が具体策である必要もない。

 前述のように、より具体的な経営の方策を示すものとして経営戦略、事業戦略、部門戦略などがある。

 単なる念仏とあなどってはいけない。魂のこもったものは、全社員に共有され、1+1が3にも4にすらもなり、企業の競争力を促進させる。

 有名な話として、松下幸之助氏は創業期に、 「水道哲学」 を掲げ、 「物質的豊かさが人間を幸福にする。産業人の真の使命は物質を水のように無尽蔵に、水道の水のように安価にすることである。」

 と説いた。この基本理念は研修を通じて役職員のあいだから、従業員のあいだまで広くにわたって共有され、共鳴を呼び、パナソニックの発展のきっかけにもなったし、経営が困難な時に立ち返る原点の役割も果たした。

 またソニーの井深大氏は設立趣意書に 
 「技術に喜びを感じる職場づくりと日本再建、文化向上を期し国民生活に資する」 ことを掲げた。

 儲け主義を排して、技術上の困難はむしろ歓迎と高級技術志向を打ち出し、実力主義、人格尊重を経営方針とした。戦後間もない当時としては珍しく進歩的な経営理念であった。

 本田宗一郎氏が掲げた社是は、
 「世界的視野に立ち、顧客の要請に応えて性能の優れた廉価な製品を生産する」 である。

 ただ、浜松の町工場からはじめたホンダは、毎日のように気の短い本田宗一郎から怒鳴り声とともにスパナが部下の頭に飛んできて、従業員の給与を遅配させていたにもかかわらず、みかん箱の上に立って朝礼を始めたホンダは

 「 いいかお前ら! 日本一になるなどと思うな。世界一になるのだ!」 と、絶叫していたという。

 社是とともに、創業者・宗一郎の怒鳴り声が、従業員の勇気を奮い立たせたに違いない。

 【 製品志向と市場志向】

 普遍性を持たせるためには経営理念は必ずしも具体的でなくともよいと前述したが、その事業ドメインの定義に関してはある程度の具体性も必要である。

 たとえば、 「お客様の要求する全ての製品を、最高級品質で、最低価格で提供する」 といわれても、それを実現する方法論の裏付けがなければ意味がない。

 事業の定義に関してはある程度具体的にしておく必要がある。

 事業の定義に当たっては、大きく2つの考えがある。

 @ 製品志向
 A 市場志向

 「製品志向」 は自社が作る製品を規定するもので、 「パソコン市場で」 や 「半導体製造において」 という表現になる。

 「市場志向」 は、顧客がその商品を購入する定義から考えるもので、化粧品会社であれば 「女性の美しさに貢献する」 という表現などであろう。

  当ブログであれば、 

 「国際ビジネスの第一線で戦える日本人ビジネスマンの知恵・ノウハウ・スキル・刺激を、インターネットから無料で提供する」 となるのだろうか。

 【 日本の成長企業の企業理念】

 楽天 − 消費者がインタネットを通じ、楽しみながら安心してショッピング

 エイチ・アイ・エス − 海外旅行をできるだけリーズナブルに、できるだけ自由に

 サイゼリア − イタリア料理を通して生活の豊かさを提案する

 サンマルク − 顧客が気づいていない満足度を創造する会社を目指す
 ワタミフードサービス − 豊かで楽しいもうひとつの食卓を提供する

 【 アメリカ企業における製品志向と市場志向の事業定義の違い】

 レブロン化粧品 【製品志向の定義】 我々は化粧品を製造する。
         【市場志向の定義】 我々はライフスタイルと自己実現、成功や地位、思い出、希望、そして夢を売る。

 ディズニー   【製品志向の定義】 我々はテーマパークを経営する
         【市場志向の定義】 我々はファンタジーとエンターテインメント、つまりアメリカらしさを残した場所を提供する。

 ウォルマート  【製品志向の定義】 我々はディスカウントストアを経営する。
         【市場志向の定義】 我々はアメリカ中西部の人々に価値を届ける製品やサービスを提供する

 ゼロックス   【製品志向の定義】 我々は複写機、Faxおよび他の事務用機器を製造する。
         【市場志向の定義】 我々は文書の読み取り、保 管、作成、訂正、配布、印刷、および出版を支援し、企業の生産性を高める。


 ( 引用: 図解 わかるMBA ) 



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2013年11月12日

MBA(経営大学院)の知識 (2) 

  欧米企業の経営陣の多くはMBAを取得しています。

 ハーバード・ビジネススクール、MITスローン・スクール、UCLAアンダーソン・マネジメント・スクール、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント、スタンフォード大学経営大学院など、多くの名門ビジネススクールがあります。

 国際競争が激化する中で、若手ビジネスマンが、欧米のビジネススクールに2、000万円もの準備金を貯めて2年間留学しなくとも、知識だけならばこのブログを毎日見ていれば、欧米のビッグビジネスの経営陣と対等になるようなインフラを作ります。

  MBAの知識 (2) ベーシックス
  
  「戦略無くして勝利なし − 戦略の構造」

 本シリーズでは、経営戦略の定義を、 「企業が継続的に優位性を維持し、収益を上げ続けるための基本的枠組み」 としたい。

 そしてこの経営戦略は全社戦略 (企業戦略) と事業部単位の2つの階層に分かれる。

 これらの戦略は、その時々の環境に合わせて柔軟に対応する必要があるが、何か指針とするものがないと、戦略のブレ幅が大きくなりすぎ、社員も顧客もパートナーも混乱する。

 また事業戦略もそれを実行するためには、具体的な部門ごとの戦略にまで落とし込む必要がある。

 これらの戦略をとりまく事項は、基本的には 

 − ビジョン
 − 全社戦略
 − 事業戦略
 − 部門戦略

 という構造で出来ている。それぞれ作り方はトップダウン型、ボトムアップ型、その循環型などあるが、どんなプロセスを経るにせよ、一貫性の取れていることが大事である。

 経営理念・ビジョンとは、そもそもその企業が何のために存在するのか、会社全体と社員一人一人がなにを最終的な目標として考え、どう行動すべきかを示したものである。

 一度作成したならば絶対変更できないわけではないが、基本線は相当の年月を経ても変わらないことが多い。

 全社戦略は複数の事業を傘下にもつ企業が、全社的な資源配分を最も効果的・効率的に配分するための方針である。全社戦略には、企業がどの事業領域 (事業ドメイン) で戦い、どのような事業の組み合わせ (事業ポートフォリオ) を持ち、それらの事業間でどのような資源配分をするか選定することが含まれる。

 個別の事業戦略は、全社戦略に比べてある程度限定された競争環境下で、いかに継続的に勝ち続けて行くかの方針である。

 事業戦略レベルでは、ターゲットとなる顧客も、競合相手もかなり明確になってくることが多いので、 ”5つの力分析” などを適用して具体的な戦略を立ててゆくことになる。

 (*注: 5つの力分析 − ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提案した5つの競争要因分析で、@ 新規参入の脅威 A 業界内の競争業者の敵対関係の強化 B 代替品の脅威 C 買い手交渉力 D 売り手(供給業者)交渉力)

 この戦略を分解して、営業、開発、生産など特定の切り口でつくる戦略が部門戦略であり、さらに具体性を増していく。

 ややピラミッド的に感じるので、このビジョン・全社戦略・事業戦略・部門戦略の構造がトップダウン型のプロセスに見えるかもしれない。確かに、トップダウンでなされることは多いが、往々にしてトップダウンで完結した戦略は実行面で問題が出ることも多い。

 そこで、全体に整合性があり、かつ実行可能性も高い戦略を作るにはボトムアップとの循環構造的プロセスが必要となる。

 (*注: 循環構造的プロセス − トップダウンの総括的な案を実行部門が議論し、それを反映させた戦略をさらにトップダウンで議論するというキャッチボールをしながら戦略を作成する方法。)

 ここで留意しなくてはいけないのは、こうしてキャッチボールをしていくうちに、最初はとんがっていた戦略が、いつしか他社と代り映えのしない優等生的戦略になること。

 それを避けるためには、最初にその戦略を提案した意図を明示しておき、議論の途中であっても常にそこに立ち戻ることである。

 ( 引用: 図解 わかるMBA ) 



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2013年11月09日

MBA(経営大学院)の知識 (1) ベーシックス

  本日から始まります”MBA(経営大学院)の知識” シリーズでは、ベーシックス、ファイナンス、HR、ストラテジーなどの分野からエッセンスとなる知識を連載していきます。

 欧米企業の経営陣の多くはMBAを取得しています。ハーバード・ビジネススクール、MITスローン・スクール、UCLAアンダーソン・マネジメント・スクール、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント、スタンフォード大学経営大学院など、多くの名門ビジネススクールがあります。

 国際競争が激化する中で、若手ビジネスマンが、欧米のビジネススクールに2、000万円もの準備金を貯めて2年間留学しなくとも、知識だけならばこのブログを毎日見ていれば、欧米のビッグビジネスの経営陣と対等になるような新しいインフラを作ります。

  MBAの知識 (1) ベーシックス
  「何のためにMBAを取得するのか?」

 まずMBA(Master of Business Administration経営学修士号) の本質とは何でしょうか?

 MBAの本質は、トップマネジメントの基本動作・考え方・知識を体系的に学ぶことであり、実はマーケッティング、財務・会計、組織論、戦略などの知識自体はMBAの価値の一部に過ぎません。

 不完全な情報・環境下で意思決定するためには、どんな ”考え方” をすれば良いのか、また、その決定した戦略を現実のものとすべく、社内外の人々の協力を最大限に得るにはどんな行動・立ち振る舞いをすれば良いのかを ”体感” することこそMBAの最大の価値でしょう。
 これが欧米でMBAが経営トップの基本的素養といわれる理由です。

 つい最近までの日本では欧米のビジネスに対するある種のアレルギーがあり、せっかくMBAを取得してもそれが必ずしも会社の中で上手に活用されない環境がありました。

 しかし、グローバル化が進んだ現在、多くの企業、大学、個人はMBAに近い考え方、行動様式などを積極的に取り入れざるを得ない状況になってきました。

 ただ、ひとつ誤解を避けなければいけないのは、MBAはビジネスにおける成功確率を高めるさまざまな要素のひとつにすぎず、MBAを取得したからと言って、その後の輝かしいビジネスキャリアが保証されている訳ではありません。

 とはいえ、MBA取得者への経営幹部へのビジネスチャンスは大変多く、下記のMBAを取得した主な日本人経営者のリストを見ると、この人々が他とはひと味もふた味も違う経営をしていることが分かると思います。

 そして、MBAは経営者になるための手段ではなく、経営者として明確に差別化した戦略を打ち、成功し続けるために一役買っているのです。

  = MBA取得の主な日本人経営者 =

 堀紘一 ドリームインキュベータ社長 ハーバード・ビジネススクール

 新浪剛史 ローソン社長 ハーバード・ビジネススクール
 堀義人  グロービス代表 ハーバード・ビジネススクール
 三木谷浩史 楽天社長   ハーバード・ビジネススクール
 三枝匡  ミスミ社長   スタンフォード大学経営大学院
 冨山和彦 産業再生機構 CEO スタンフード大学経営大学院
 茂木友三郎 キッコーマン会長 コロンビア大学ビジネススクール
 吉田忠裕  YKK社長    ノースウェスタン大学ケロッグスクール
 藤井清孝 SAPジャパン元社長 ハーバード・ビジネススクール
 玉塚元一 ユニクロ元社長   サンダーバード(AGSIM)


posted by ヒデキ at 19:47| Comment(0) | TrackBack(0) | MBAの知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする