2016年01月24日

2016年のアメリカ経済について (4)

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 - シリコンバレーが創出するアイデアやテクノロジーは、頭打ち

 昨年の米利上げから世界経済は混迷をはじめましたが、そのカギを握るのがアメリカ経済です。 東海岸の金融業、南部の石油産業は予測がしやすいですが、西海岸のテクノロジーは予測が難しいです。

 2015年にシリコンバレーの新技術創出、アイデアの実用化は頭打ちになったのではないかと思います。

 1. Google, Apple, Amazon, Facebook は、上場後に株主資本の最大化を目するあまり、シリコンバレーで生まれた新規ベンチャーに500億円、1000億円を出資して、自分のライバルになる前に芽を刈り取ってしまうという寡占化が進んだこと。

2. 去年から、シリコンバレー発の企業は、多国籍展開するのに、いかに法人税を安く収めるか、いかに安い人件費でオペレーションを回すか、という、いわば ”社内の財務官僚” が跋扈(ばっこ)するカルチャーに転じてしまい、

 「たとえ採算が合おうが合わまいが、10年先、20年先の大成功をめざす」 という、本来あったシリコンバレーのダイナミズムが減退したように思います。

 これまで世界を驚かせてきたテクノロジーの聖地には、従来ほどのスピードで新テクノロジーを産む力は失せてきたと思わざるを得ません。

 次の産業革新をする芽が無いかというと、必ずしもそうでもありません。次のテクノロジー覇権を握る芽は、徐々に新しい潮流として定着しつつあります。

 2012年頃から見られる一大潮流の変化は、すべてのサービスがクラウド上でのサービスになりつつあり、それは “IT産業がイコール設備産業にシフトしている” ということです。

 IBMが巨額の投資をしてソフトレイヤー等のクラウドサービスでAmazon、Google、Salesforceなどの後追いしていますが、戦略としては正しいのでしょう。いまの業界構造では新規のサービスが生まれにくくなっています。

 ただし次の変化の芽はもう出始めています。

 IoT(インターネット・オブ・シングス= すべてのモノにインターネットを組み込もう!)と、エクサスケールのスーパーコンピューターの開発です。どちらも覇権を握った会社が、その国の国力を変えるほどのパワーを持つと予想されています。

 GEがIOTで覇権を狙っています。次に出てくる会社になる可能性があります。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/…/column/15/032400051/032400001/
スパコンではなんと日本が次の覇権を握る可能性があります。ここはぜひ頑張って欲しいです。

 次のスパコンでもっとも重要な能力は消費電力あたりの計算能力です。いま日本がトップ3を占めています。

 このままいくとスパコンを動かすのに原子力発電所が必要になると言われていますが、日本のこの技術は。。。 ここから先はメルマガ ”熱血日記” を購読してお楽しみ下さい。http://www.mag2.com/m/0001646353.html

 (つづく)

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 【 株は1年に2回だけ売買する人がいちばん儲かる − 伊藤智洋 】



2016年01月10日

2016年の為替相場はどうなるのか?

 - 資産運用のコツ、短期売買か長期投資か 

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 今年に入ってから、10人以上から 「 ヒデキさん! ドル円相場はどうなるんですか!?」 と聞かれました。新春早々から株式市場は暴落、外国為替市場は逆方向の円高に急激に進んだのですから、動揺する人たちが後を絶たないのも無理はありません。                                                     

 短期的には、チャーティスト(相場のグラフを見て売買判断を下す人たち) が、過去3年間に続いた円安ドル高の逆を行く ”円高・ドル安相場” が来る、と言っています。むこう3か月か6か月で115円まで円高になると言う証券会社のエコノミストが多くいます。
                                                 
 これはもっぱら短期筋がメインで、米ヘッジファンドなど、2日、3日の儲けで勝負を賭けている人たちが円買いにポジションをかたむけているわけです。         

  ところが、経済のファンダメンタルズ(実体経済の基礎) を見る長期の投資家は、ドルの金利が上がるのだから、金利裁定 (金利の安い国の通貨が売られて、金利の高い国の通貨に自然にお金が流れる経済の原理) が働くわけだから、短期間の相場の乱高下はあっても、2年後、3年後には、ドル高になるのは必然だ、と言っています。

 経済学のマエストロ、アダム・スミスは著書 『国富論』 の中で “神の見えざる手” という言葉を使います。

 経済の表面現象は売ったり、買ったり、短期の振幅で乱高下するのですが、長期的に見れば、値段の安いものが買われ、値段の高いものは売られ、金利は高いものに自然と流れ、金利の安いものは売られる運命にあるのです。

 お金を運用する期間を2日、3日で見ている人にとっては短期的には円が上がるから “円買い・ドル売り” で儲けるチャンスがあるかもしれませんが、3年後、5年後に向けて長期的にお金を増やそうと考えている人たちは、歴史を見れば金利の高い通貨が自然と上がっていくのですから、世界の基軸通貨、米ドルで貯蓄する方が長い目で見れば大きく増えるはずです。

 要は、あなたのお金を2日、3日で5千円や1万円を儲けようと考えている人たちにとっては、円買い・ドル売りにすれば儲かるかもしれませんが、3年後、5年後にあなたのお金を資産運用で100万円、200万円と増やそうと考えている人にとっては、金利の高い国の通貨で貯蓄すれば良い訳です。

 短期で小さな儲けを出すか、長期で大きな果実を取るかという違いです。貯蓄のスパンの長さで、円買いにするか(短気派)、円売り・ドル買い(長期派)に決めれば良いので、為替相場の乱高下でウジウジ悩むだけ、あなたの時間がムダになる。。。 

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 【 Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2016年 1/12 号 [2016年 世界経済 新常態 】

2016年01月04日

2016年のアメリカ経済について (2)

【 2016年のアメリカ経済について (2) − アメリカは世界の警察官を止めた! American Economy in 2016 】

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 アメリカはどうやら疲れてしまったようです。“世界の警察官” の役割を果たすことに。

 地球の反対側で起こる国際紛争を収めたり、テロを未然に防いだりするために、CIA(米国家中央情報局)やNSA (国家安全保障局)、そして米軍を繰り出して、中東情勢やロシア情勢、中国情勢を平穏無事に収めるには多大な犠牲とお金がかかります。

“世界の警察官” を務めるためにかかるコストはぼう大です。2003年のイラク戦争のときに派兵された米軍の累計230万人のうち、6人に1人、約50万人がPTSD(精神疾患)にかかり、自殺する帰還兵が年間6,000人にも上ったそうです。

 こうした費用対効果を考えると、アメリカは広く世界に進出して軍事介入をするよりも、国内で自国の国益をたんたんと追求するほうが楽だということに気付いたようです。

 20世紀は石油の世紀でした。天然資源を大量に保有し、安いエネルギーを国の工業資源に転化できる国は豊かな経済を楽しむことができました。

 一時は日本経済の飛ぶ鳥を落とす勢いに減退したアメリカ経済でしたが、20世紀の終わる頃、IT技術で 吹き返しました。新しいモノ好き、革新とイノベーションで新しい経済(需要)を創るのが好きなアメリカ人は、家電製品と自動車という日本経済の必殺武器の代わりに、ITで新世紀の経済の主導権を見事に取ったわけです。

 株式市場で最も評価される米国企業は金融とITの2大産業です。このうち金融業は19世紀のモルガン、ロックフェラー(シティバンク)、メロンの3大財閥から栄えていましたが、IT産業は1990年代の後期から急速に栄えました。

 マイクロソフト、アップル、インテル、アマゾン、グーグル、フェイスブックと、時価総額上位の企業を連ねています。たった10年、15年でここまで世界の経済を制覇した力は恐るべきものがあります。

 時代が2000年に入ると、アメリカはもう一つの強大な武器を手にしました。それがシェールガスです。地中深くにある頁岩層の岩盤から取れるシェールガスは、従来の原油に代わる新たなエネルギー源として、急速に代替エネルギー源として注目されました。

 それまで大型のアメ車がガソリンを垂れ流し、電気もガソリンもガスも使いたい放題で、原油の輸入国だったアメリカが、自国内で取れるエネルギーを開発したおかげで、原油の輸出国に転じてしまったのです。

 エコノミストは、米国が世界の基軸通貨国だから、中央銀行の輪転機を刷ればするほど米ドルが印刷できるのだから、貿易赤字も経常赤字も垂れ流し放題で、アメリカの財政問題は解決不可能と言っていました。

 ところが、石油を自国内で大量に生産し、2016年からは石油の輸出国に転じたアメリカは、もはや中東の原油に頼る必要がなく、世界の警察官として中東、欧州、アフリカに大量の米軍を派兵する必要がなくなりました。

 サウジアラビアの石油にたよらなくとも、自国内で石油を生産できるようになったわけですから、 “パレスチナもユダヤもシーア派もスンニ派も、イラクもイランも知ったこっちゃない! 勝手にやれや!” という訳です。

 世界情勢が一気に不安定になったのが2015年の冬、アメリカの石油輸出解禁のニュースです。これにつけこむ国々がいるのです。

 ISIS(イスラム国)が、フランス・パリの劇場同時テロで120人余りを殺戮したのは記憶に新しいですが、アメリカが世界の警察官を止めると、世界情勢がとたんに不安定になるのは自明の理です。

 2005年に米ゴールドマン・サックス証券のエコノミスト、ジム・オニールが世界新興国に BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国等) という名を命名し、新興国がいちばん経済成長の伸びしろが大きい訳だから、新興国に投資しようというブームを巻き起こしました。

 その後、NEXT 11(ネクストイレブン: イラン、インドネシア、エジプト、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、)が主要な経済成長のリード国として、これらの国の株式や債券が買われはじめました。

 その後、2007年のサブプライム・ショック。。。
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 (つづく)
 
【 なぜ日本経済は世界最強と言われるのか − ぐっちーさん、丸紅、モルガン・スタンレー証券、ABNアムロ証券を経て投資銀行を創業したエコノミスト 】

2016年01月01日

2016年のアメリカ経済について

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 皆さん、新年あけましておめでとうございます! 新しい一年も、皆さまにとって幸せで、豊かな一年になりますことをお祈りしています。

 今年も自分の目標に向かって情熱的に取り組んでいきましょう。そして、素晴らしい結果と、心の底からの喜びが得られる、良い年になることを願っています。

 2015年は中国経済ショック、米国の利上げ、ギリシャショックと波乱の年でしたが、2016年も波乱の経済が続くと思います。

 日・米・欧と世界の3極が、実体経済はさておき、超金融緩和で実体経済の実力以上に政府当局が一致団結して中央銀行の輪転機をぐるぐる回して市場をお金でじゃぶじゃぶにしたツケが回ってくるからです。

 先々週のFOMC(連邦公開市場委員会。米国内でのドル供給の大枠を決めることによって、公開市場操作に重要な役割を果たす機関)がアメリカの利上げを決定し、0.25%ずつ、年に4回、計1%近い利上げがほぼ確定したのがこの冬一番のニュースでした。その裏にある事実が2つあります。

 アメリカの実体経済は絶好調で、超金融緩和のたずなをいい加減に引き締めないと、バブル崩壊のツケが後々回ってくるという予防策。今回の利上げは健全な経済運営にとって必然だったこと。

 アメリカの労働市場はこのところ6年間の間でめざましく改善し、失業率の低下と非農業分野の雇用増大の恩恵に服しました。これに伴い、アメリカの実体経済であるGDP (国内総生産)は、7〜9月期で2%増加しました。

 そして、アメリカが利上げをすると、それまで株式市場や不動産市場、投資信託市場にまわっていた投資資金が、銀行の預金や債券市場に戻ってきます。

 今まで日米欧の世界3極政府が協力して株式市場や不動産市場のリスクマネーに回っていたお金が、確定利付の銀行預金などに戻ってくるわけです。そうすると、米国の株式市場や不動産市場は、冷や水を浴びることになります。

 次に来るのは日本株市場や欧州株市場の下落です。リスクマネーの出し手が減り、安全な銀行預金や債券市場にお金が移動するからです。

 為替市場は、金利の高い国の通貨が買われるのが自然な流れですから、短期的な乱高下はあると思いますが、長期的には金利の安い日本円は売られて、高い米ドルが買われて、ドル円相場は円安に向かうのが金利の必然です。

 アメリカの金利上昇に隠れて、今年あまり注目されなかったのが、サウジアラビアの経常赤字転落です。何も努力しなくても、地面を掘れば無料の原油がじゃぶじゃぶ湧いてくるサウジアラビアは、世界経済の垂涎の的でした。

 原油安がヘッジファンドの先物売りで35ドル台まで暴落した2015年ですが、サウジアラビアをはじめ、ベネズエラ、ブラジル、ロシア、イラン、リビアと、産油国の経済は2016年にはメタメタになるでしょう。

 すると今度は、オイルマネーが産出した余剰資金の供給源であったリスクマネーの出してが減り、米国株市場や日本株市場の買い手が減ってきます。アメリカの利上げと、産油国から湧いてきたリスクマネーの出し手が減り、2015年までの超金融緩和経済が逆流しはじめるわけです。

 2016年は油断できません。

 (つづく)

2015年12月30日

American Economy in 2016

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I will forecast on American Economy in 2016 on New Years Day!

Let's expect economic forecast on new year day.

2015年10月04日

サウジアラビアの経常収支が赤字に転落!!

- 記録的な原油安が世界の金融市場を暗転させる。2016年は最悪の年に... 

中国経済が衰退に転じ、欧州経済の盟主・ドイツが海外進出で実力以上に張り切り過ぎた結果、コンプライアンス違反が次々と露呈して自らのクビを締め、日本のアベノミクスも3年間走り続けた結果、インフレ経済は起こせず、唯一、この間リッチになったのは ”不動産持ち” と ”株持ち” の2割の国民だけだったという事実。

 この半年の成績表を見ると、世界第2位の経済大国・中国、第3位の日本、第4位のドイツが無残なありさま。この先、世界経済が頼れるのはアラブのオイル・マネーだけかと思っていたら、原油安のおかげで経常赤字に転落、投資マネーの出し手がいない。

 米国・中国・日本の世界トップ3がこの3年間、金融超緩和 (中央銀行の輪転機を24時間365日、 フル稼働で紙幣を刷りつづけて、実体経済をお金でじゃぶじゃぶにして、実力以上の好景気を演出する) で好景気を続けてきたのですが、もう頼る先が無くなりました。

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 札束にまみれた好景気の演出家の一人が中東のオイルマネーだったのですが、サウジアラビアの貿易、経常収支をみると、原油価格が1バレル100ドル時代の2014年上期までは高水準の黒字でした。

 ところが昨年秋からの原油急落で黒字幅は急減。11年以降、優に1000億ドル超の黒字を謳歌してきた経常収支は、今や赤字に転落しました。                                          地面の下からコストがゼロの天然資源がじゃぶじゃぶ湧いてくるサウジアラビアは、努力しなくてもお金が空から降ってくる珍しい国ということで世界の垂涎の的でしたが、このところ続く原油安でとうとう赤字に転落してしまったわけです。

 つまり、2015年まで金融市場をお祭り騒ぎに沸かせた選手が全員、舞台から姿を消してしまったわけで、2016年を考えると空恐ろしい近未来がやってきそうです。

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2015年04月14日

外資系証券の先輩と − 外資黄金時代

今日は、米系証券の先輩と都心のホテルでお茶をしてきました。まだオフィスが赤坂アークヒルズにあった90年代にエクイティ部門(日本株)で活躍されていた先輩なのですが、日系証券会社から引き抜かれ、東京では後発組だった株式部門のインフラを作られた方です。

一日に最大、1億株にものぼる大量の日本株注文を顧客の機関投資家から受けたことがあり、それがTSE 東京証券取引の一日の出来高の約15分の1にものぼったため、トレーダーと協力して株価を乱高下させないように執行していったとか、

日系から転職したら年収が5倍になったとか、経費の使い方は青天井だったとか、日本で初めてブロック・トレーディング(大量の株式注文を、自社内の他の大口顧客の注文や自己売買で受ける)を定着させたとか、もうエキサイティングな話ばかりでした。

当時は外資系証券が東京で急膨張していった時代です。時代背景もあります。

いずれにしてもこの先輩、もう60代なのですが、「倉ちゃん、こんど新しい事業を始めるぞ。」と、艶のある肌で、覇気に満ちた方なのでした。

どの部門にいらした方でも、先輩はアグレッシブ(超積極的)な人が多いと思いました。元気を頂きました!( ´∀`)

 【 ゴールドマン・サックス − 世界最強の投資銀行 】

2015年02月28日

三菱商 昨年来高値を更新 非資源分野好調で安心感

  三菱商事株が27日、昨年来高値を更新した。一時2398円50銭を付け、2011年1月以来約4年ぶりの2400円台にあと一歩に迫った。原油安を背景に昨年秋以降さえない値動きが続いたが、資源価格の下落一服を機に最も買い安心感のある商社株として選別されている。

 2月の4〜12月期の決算発表では15年3月期の純利益見通しを据え置いた。前期比11%増の4000億円は「達成の確度は高い」(内野州馬・最高財務責任者)という。

 資源関係では減損損失350億円は計上するが、一方で豪州の石炭開発子会社の10〜12月期は38億円の黒字(前年同期は95億円の赤字)に転換した。多額の損失を計上する住友商事をはじめ、期初予想を下方修正して減益となる三井物産や丸紅などに比べて堅調さが際立つ。

 非資源分野の純利益は45%増の3240億円と全体を支える。ファンド事業や生活産業が好調だ。「石炭事業の改善や非資源の伸びを考慮すると来期以降の業績で最も安心感がある」(野村証券の成田康浩氏)

 市場では「14年(600億円)に続く継続的な自社株買いが期待できる」(大和証券の五百旗頭治郎氏)との声もある。20年に12〜15%を掲げる自己資本利益率(ROE)目標の達成に向けて具体策が出れば一段高もありそうだ。



2015年01月30日

ヘッジファンド特集 (3) 年収1,000億円! 

 − ありきたりの経済常識の裏を行くことで株や債券市場で大儲け。医学生の道を歩きながら株式市場を極めたマイケル・バーリ 

 【 引用: 世紀の空売り、マイケル・ルイス箸 ”ムーディーズもゴールドマンもクソくらえ” 】


 年収1,000億円というと、どういった人たちが目に浮かぶだろうか? 日本ではまず思いつかないだろう。

 ところが、米国においては、マネー・マネージャーたる資金運用の世界で年収1,000億円  も稼ぎ出す辣腕ファンド・マネージャーがいるのである。

 ポールソンファンド、ミレニアム、ソロス・ファンド等、欧米諸国の富裕層やアラブの政府系ファンド、QE2のお金を預かり、債券市場や為替市場、株式市場で切った、貼ったの激しい攻防戦を繰り広げる頭脳派である。そして彼らの多くは短期投資家ではなく、長期投資派である。

 デリバティブや先物取引を使い、最小限のお金をもとに借入金を駆使したレバレッジで元本を膨らませ、債権数理、統計学を駆使した数式をもとに大金をかけて、ふつーのサラリーマンが50年かけて稼ぐ額を、わずか1年で稼ぎ出す、およそ凡人離れした人たち。

 そんな彼らがどんな思考回路で常人の裏をかいたか、という事実が金融小説、マイケル・ルイスの書籍で徐々に明らかにされている。

 2007年から8年にかけてのサブプライム・ショック、リーマンショックで世の過半数が大損を被った年に、世間の経済常識の裏を行くことで年収1,000億円以上を稼いだヘッジファンド・マネージャーがいたのである。

 彼らが成功したのは何のためか?

 端的に言えば、自分の直感が正しい、おかしいと思った現象を、深く突っ込んで調べ上げた結果、金融界の上層部がたとえ何と言おうと自分の意見を押し通したと言えば良いだろう。

 アラン・グリーンスパンという、日本でいえば日銀総裁にあたる経済のエキスパートが

 「アメリカ経済は健全だ。バブルのきざしもない。消費経済は順調に拡大している。」 という大本営発表に、眉に唾をつけて疑い、貸金返済能力のかけらもないメキシコ移民、プエルトリコ移民が自分の年収の10倍もの借金をしてカリフォルニア州やニューメキシコ州、ネバダ州で分不相応な一戸建てを建築する、という不動産バブルがおかしいと、正面切って論争を挑み、自己資金を貼ったのである。

 アメリカの金融界は、それでも秩序正しく投資活動をしていた。商業銀行がそうした移民や低所得者向けにローンを出し、それが数百億円や数千億円の貸付残高になると、商業銀行は一行だけで持つリスクを分散させるために、今度はそれを証券化商品にして、紙切れの債券を多数発行して、上位の金融業者であるモルガン・スタンレーやメリルリンチ、ゴールドマン・サックスといった投資銀行 (証券会社) に、 “住宅モーゲージ債券” というさも尤もらしい名前をつけて売りさばいた。

 今度はモルガン・スタンレーや、ゴールドマン・サックスが、それらウサン臭い証券化商品に、ムーディーズやスタンダード&プアーズが付けた財務信用格付けがAAですとか、Aプラスですといった大家のお墨付きをもって、アラブや欧州の富裕層、政府系ファンドに大挙して売り回った。

 問題は、アメリカを代表する投資銀行や商業銀行が、顧客に売り出すときに “証券化商品の財務状況は健全です” と言い切った格付け機関の調査能力がどれほど信頼できたか、ということである。

ヘッジファンド・マネージャーは、こうした米国格付け機関や投資銀行が是と認めた事実に眉に唾をつけて疑い、 「カリフォルニア州の高額な一戸建てを、年収300万円の低所得者が購入できるのはおかしい。」  と、世の経済常識の逆張りの投資を張って大儲けした。

 CDS (住宅ローン債権にかける保険商品) を大量に買い、世の中が 「いくら何でもこの現象はおかしい、と気づいた時、マイケル・バーリは元本の10倍以上の金を手にしたのである。

 “義眼の相場師 兼 医師、 バーリ”

 2004年はじめ、義眼の株式投資家であったマイケル・バーリが、未知の領域だった債券市場に夢中になっていた。アメリカの金銭貸借の仕組みについて、できる限りの知識を頭に詰め込んだ。債券市場に新たに取りつかれていることを、バーリは誰にも離さなかった。

 ひとりカリフォルニア州サンノゼの事務所にこもり、本や、新聞・雑誌の記事や、金融関係の書籍を読みあさった。とりわけ知りたかったのがサブプライム・モーゲージ債の仕組みだ。莫大な数にのぼる個人の住宅ローンを積み上げて造られた一基の塔。

 最上階にある債券は、いちばん先に償還されるので、格付け機関ムーディーズとスタンダード&プアーズによる格付けが最も高く、金利は最も低い。最下階の債券は、最後に償還を受け、真っ先に損失を被るので、格付けが最も低い。

 下のほうの債券を持つ投資家は、引き受けるリスクが大きく、そのぶん、上方の投資家より高い金利を得られる。モーゲージ債を買う場合、投資家は塔のどの階に投資するかを決めなければならないが、マイケル・バーリは、モーゲージ債を買おうと考えているわけではなかった。

 サブプライム・モーゲージ債を空売りする方法を模索していた。どのモーゲージ債にも、血の気が失せるほど退屈な130ページの目論見書が添付されていた。そこに書かれた細かい文字を読むと、それぞれが独自の小さな法人になっていることがわかる。

 バーリは、2004年から2005年はじめにかけて、何百通もの目論見書を通読し、何十通かを精読した。年百ドルの料金を支払えば、誰でも全部の目論見書をネットから入手できるのだが、それをここまでちゃんと読みこんだ人間は、本文を記載した弁護士以外には、バーリただ一人だろう。

 この時期のモーゲージ債、2004年という早い時期であっても、貸し出し基準が低下していることがはっきりと読み取れた。貸し出し基準は下がっているどころか、落ちるところまで落ちていた。その最底辺についていた名前は、“金利支払い元本逓増変動金利型サブプライムローン”

 このローンに飛びつくのは、収入の無い人間だ。バーリが理解に苦しんだのは、貸す側がなぜそんなローンを組みたがるのかということだった。

 ヘッジファンド・マネージャーの多くは、顧客の投資家たちとのおしゃべりに時間を費やし、顧客に出す四半期ごとの報告書を形式的なものとみなしていた。面とむかって人と話すのが苦手なバーリは、そういう報告書を、自分の能力を顧客に示す手立てとして、重要なものと考えた。

 バーリは解説する。「貸し手が節度を失っているという明らかな兆候でしたね。ローンの売上を増やすために、条件をどんどんゆるめていたのですから。」

貸し手は自分でローンを抱え込まず、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーやウェルズ・ファーゴなどに売り、先方がそれを債券にパッケージして売るという仕組みが出来上がっているのだ。

 当時のバーリには、投資戦略上の問題を抱えていた。サブプライム・モーゲージ債の各階層(トランシェ)にはひとつ特徴がある。それは、空売り(ショート)ができないということだ。

 株や債券を空売りするためには、まず借りてこなくてはならない。ところが、サブプライム・モーゲージ債のトランシェは、ちっぽけで、ありかがわからなかった。それが下落するほうに公然とかけることができなかったのだ。

 “義眼のせいで”

 バーリは自分が他人と違うということを、2歳のとき感じ取っていた。2歳のときにめずらしい型の癌をわずらって、腫瘍を除去するという手術を受けた際、左の眼球を摘出された。片目を失った少年は、他の誰とも違う見方で世界を眺めることになる。

 少年期のバーリは、ほとんどの時間を一人で過ごすことを特別なこととは意識しなくなった。20代後半までには、友だちのできないタイプの人間だという自覚を得るに至った。サンノゼのサンタ・テレサ・ハイスクール、UCLA(カリフォルニア大ロサンゼルス校)、ヴァンダービルド医科大学時代を通じて、長続きする対人関係を一度も築けなかった。

 それがどういうわけか、結婚は二回している。ひとりめの妻は韓国系の女性で、すでに別れて違う街に住んでいた。二人目の妻とは、まだ結婚生活を続けていた。

 バーリは、マッチ・ドットコムのプロフィール欄に、“片目しかない医学生。人付き合いが苦手で、14万5千ドルの学資ローンを抱えています” と正直な自己紹介を書いた。

 “株式市場に対する強いこだわり”

 バーリはコンピュータには、心底から興味をいだいていた。機械そのものが好きなわけではなく、生涯のこだわりを追求するうえで、コンピュータが役に立つからだ。生涯のこだわりとは、株式市場の仕組みを知ることだった。

 小学生のころ、父親に新聞の株価一覧を見せられ、株式市場はゆがみきった場所だから、けっして信用してはいけないし、まして投資などするものではないと聞かされて以来、その仕組みがずっとバーリを魅了し続けてきた。

 子供の頃でさえ、その数字の世界を、論理で制してみたいと思っていた。バーリは、株式市場に関する本を興味として読み始めた。。。

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 ( つづく )



2015年01月27日

ムーディーズが伊藤忠商事の財務信用格付けを格下げへ 

 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2015年1月26日付のリポートで、伊藤忠商事(8001)の発行体格付けを現在の「Baa1」から格下げ方向で見直す方針を示した。

 伊藤忠がタイ最大財閥のチャロン・ポカパン(CP)グループと共同で、中国最大の国有複合企業の中国中信集団(CITIC)の傘下企業に1兆2040億円を折半出資すると発表したことを受けた判断。出資には多額の現金支出を必要とすることや、フリーキャッシュフロー(純現金収支)を圧迫する可能性があることを踏まえ、伊藤忠の信用力に「ネガティブ」との見解を示した。

 【 原油急落と中東情勢 】