2017年10月09日

MITからゴールドマン・サックスへ 女性起業家が語る

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【 MIT(マサチューセッツ工科大)からゴールドマン・サックスへ、女性起業家・屋代浩子が語る21世紀型新しい企業体創出への挑戦記 】

 フォルシア株式会社代表取締役

周囲の反対を押し切り、銀行ではなく野村証券へ。 女性総合職の第一期生として活躍
私の大学時代はバブルの全盛期で、何を見ても何をやっても楽しく、すべてのことに熱中した大学生活でした。父の仕事の関係で小さいころは外国で生活していたこともあり、世界を飛び回るような仕事がしたいとずっと思っていました。

慶應大学で経済や国際金融を学び、金融の世界にとても興味を持ったことから、就職活動は銀行・証券を中心に話を聞いて回りました。総資産からみた世界の金融機関のトップテンには日本の金融機関がズラリと上位にならんでいた時代です。

企業の先輩の話を聞くとあまりのスケールの大きさにワクワクしたものです。金融機関は数百人レベルで大量採用をしていましたから、銀行・証券会社それぞれから内定をいただきました。

当時は、今と違って証券会社のステータスは銀行よりも低く、親を含め周囲は皆、銀行への就職をすすめました。しかし、私はどうしてもグローバルに大きな仕事がしたかったのです。大量の同期がいる中で、見劣りする自分が、身の丈以上であるグローバルな仕事をさせていただける確率が最も高いと感じたのが野村證券でした。会社のステータスやら周囲の目などは全く気にならなかったし、眼中になかったですね。

実際、入社後は国際業務部といわれるデリバティブを扱う部署に配属され、毎日が驚きの連続となる充実した日々を過ごしました。しかしながら、デリバティブというのは高度な金融工学を駆使する仕事です。新卒の自分のふがいなさを痛感し、金融工学をきちんと学んでみたいと強く感じ、MITへの留学を決めました。

“ゴールドマン・サックス勤務から、広く社会に役に立つ仕事がしたいと思い立った転換点”

MIT卒業後、夢に一番近づけると思ったのが米国投資銀行だと思い、ゴールドマン・サックスの東京支店に雇ってもらいました。今考えると毎日がドラマのようでした。米国投資銀行は資本主義の権化のような場所ですから、お金の流れ、社会の仕組み、経済の仕組みを骨身にしみこむまで学ばせていただきました。

私の上司で、机を並べて8年間一緒に仕事させていただいたのはマネックス証券創業者の松本大(まつもとおおき)さんです。あの人はすごい人です。すごい人々とすごい時代にすごい会社でシビれる日々を過ごし、拡張の一途をたどる外資系金融を精一杯支えました。

とても充実した期間でした。結果的に、外資系金融に大きな利益と成長をもたらしたわけですが、外資系金融と機関投資家という限られた人々に提供してきた私達の発想や技術を、今度は広くあまたの普通の人々に提供できないものだろうかと考えるようになりました。

ネットが普及してきましたら私達でも一般の人々の為になることができるかもしれない。今まで培った自分たちの持てる力をすべて使って多くの人々に役立つ何か新しいサービスを作ろうと思い立ち、フォルシアを起業しました。

“金融工学の発想と視点をいかした検索エンジンの開発”

 フォルシアは、「人々を、探しているものにたどりつかせる為にはどうすればよいか」を一生懸命考え、研究し、開発している会社です。

もともとの発想は投資をする際の銘柄選びから生まれました。世の中には“必ず儲かる株”というものは存在しません。もしかしたら儲かるかもしれないであろう株はどれか、ということを血眼になって捜すわけです

一つの観点からだけで判断していては見誤ります。ROEが高いだけでもだめですし、今期の収益率だけ見ていてもだめですし、経済の流れまで読み込まないとなりません。幾多の切り口から検討する必要があるわけです。

そういった事に慣れている私達は、ネットの世界において何かを探して選び出す際、検索結果が誰かの恣意によって並べられたリストの上の方に並んだものをそのまま信じる、ということに大きな違和感があるのです。例えば、他の人が買っているもの(人気ランキングという一つの切り口)が一概に良いものとも限りません。

自分の探している商品を“自分が指定する法則に従って”並ばせることが出来、取捨選択でき、様々な観点から比較検討して検索できるとしたら、本当に欲しい人の手に本当に良いものが届くのではないかと考えています。私どもはこの検索エンジンを開発することにより、探し手(顧客)のみならず、提供側(企業)にも大きな地殻変動を起こすことができると考えています。

検索エンジンと言うと、世界的に成功している企業がいるから勝ち目がないと言いきる大学生に遭遇することがあります。悲しくなりますね。確かに今あるものは今この時点で一番すごいものであるかもしれませんが、未来もずっと一番すごいものではないのです。もっと素晴らしいものを自分たちで作ればよいのです。

If you can imagine, You can make it happen(想像できることは、実現できる)と私は信じています。学生の皆さん、想像することをやめないでください。

 “学生が会社選びで意識するとよいこと:今「良い」と言われている会社に入ることは、投資の世界の高値掴みと同じ”

学生のみなさんには、企業を選ぶポイントとして、その企業の成長過程のどこに参画していくかということを考えて、会社や仕事を選ぶことをおすすめします。一般的に、企業は大企業になり安定期に入って社員が多くなると一人ひとりに任せられる裁量が少しずつ狭くなっていきます。

一方で、成長期にある小さな会社は一般的に自由で風通しがよく様々なことにチャレンジできる可能性が高いです。わが社は今まさにその成長期にあります。フォルシアは従来の日本型企業でもなく、外資系金融機関のような資本主義の権化のような企業でもなく、夢のある若い人たちの自己実現を助け、社会人としてのみならず人間としてトータルに幸せになるような、そんな新しい時代の企業体を作っていきたいと日々模索しています。

就職しようと考えている企業が今、成長曲線のどのくらいの位置にいるのかも大事な一方で、自分にも成長曲線があることを忘れてはいけません。どういうことかというと、おそらく学生の頃はあまり考えないと思うのですが、特に女性は自分のライフスタイルが劇的に変化していくのです。

結婚し、子供が生まれ、もう自分の意志ではどうにもならない怒涛の時代が高い確率でやってくるのです。自分がやりたい事。自分が得意なこと。どうやってそれを実現し、持続させていくのか。難しいことではありますが時代の流れと自分のライフサイクルをしっかりと見つめ、参加する会社を選ぶとよいと思います。

 学生の皆さんは“今いけてる会社”を選ぶ傾向が強いですね。今一瞬をスライスした画像のみを見ているわけです。でも考えてみてください。今一番いけてる会社が必ずしも将来もいけている会社である保証はどこにもないのです。

逆に現状でベストの所を掴みにいくことなので、最悪の高値掴みです。例えば、私の就職活動当時、金融業界志望の最高峰は、興銀(日本興業銀行)でした。しかし今となってはもう会社自体が存在していません。

ひとの目やブランドで会社を選んでも、大会社だって3日もあれば潰れてしまう時代ですから素直に自分のやりたいこと・自分がわくわくすることを選んだ方が良いと思います。人は、やりたい仕事や、自分にあっている仕事、得意なことにおいては、自ずと活躍できるはずですから。

 【 世紀の空売り 世界経済の破たんにかけた男たち 】



 【 ゴールドマン・サックス (上)王国の光と陰 】





posted by ヒデキ at 00:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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