2017年08月07日

住友商事が北米で不動産を続々と開発

  住友商事や三菱商事などが相次ぎ米国で数百億円規模の不動産投資ファンドを立ち上げる。低金利下で不動産市場への流入が続く機関投資家の資金を活用して新たな開発を進め、収益源を多様化する。一方で自社保有の物件をファンドに組み入れてバランスシートから切り離し、過熱感も指摘される市況の変動に強い体質を作る。

 住友商事はイリノイ州とフロリダ州の2つのオフィスビルを組み込んだ約350億円の不動産ファンドの運用を7月から始めた。両ビルとも住友商事が保有していた大型物件で、すでにファンドに売却済み。ファンドには国内の金融機関や事業会社などが出資している。賃料収入で運用し5年間で年10%超の利回りを見込む。

 住商は米国で1980年代からオフィスビル開発を手がけている。主要20都市で事業をしており、優良なテナント誘致や長期安定的な契約締結のノウハウを持つ。

 今後も自社開発の不動産を組み込む形で300億〜400億円のファンドを年1本程度立ち上げる計画。3年後にファンドの資産規模を1000億円以上に引き上げる。自ら開発から運用まで手がける強みを生かし年金など投資家層の拡大を目指す。

 総合商社各社は保有する資産から効率的に稼ぐために、優良資産への入れ替えを進めている。住友商事も18年3月期までの3年間で6000億円の資金回収を目指している。保有する不動産をファンドに売却することで資産が軽くなる。回収した資金を使って、より利益が見込める新たな不動産開発につなげることができる。

 三菱商事も4月に、米国で約275億円のファンドを立ち上げた。三菱商事グループが現地企業と開発中の賃貸住宅や物流施設の一部を取得する。開発完了後は物件を売却し収益を得る。運用期間は4年。米国不動産の開発ノウハウを生かし、継続的に同様のファンドを組成する。

 三井物産は2月に米大手不動産運用会社CIMグループに約600億円を出資し、運用への関与を始めた。CIMは北米、南米の特定の都市部に集中的に投資する手法が特徴。オフィスビルや住宅、商業施設などを組み込み、10〜20%の利回りをあげる。

 主に米国の機関投資家から資金を集めているが、出資を機にCIMの詳細な情報を国内の投資家に提供、年内にも国内での販売を始める。年金基金や地銀などの投資需要を取り込む。

 国内の機関投資家は低金利で債券での運用が難しくなっており、債券や株式以外のオルタナティブ(代替)投資の需要が高まっている。不動産投資は足元では国内が中心だが、今後は海外不動産の需要も高まるとみて、各社とも商品を充実させていく。

 【アフリカにかける ある商社マンの痛快人生】
posted by ヒデキ at 22:40| Comment(0) | 住友商事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント