2017年07月31日

住友商事が衛星海外初受注

 住友商事とNECはベトナム政府から人工衛星の打ち上げを受注する。NECが海外から受注するのは初めて。受注額は190億円で、2020年度に打ち上げる。

 世界の衛星市場は欧米メーカーが席巻し、日本企業のシェアは三菱電機のわずか2%にとどまる。今回、衛星関連では初の円借款が認められる見通しで、官民で組んで巻き返しを図る。

 住商が事業全体を取りまとめ、ベトナムが実施した入札で落札。近く正式契約する。日本企業が同国から衛星打ち上げを受注するのは初めて。住商・NECは今回の実績を生かし、新興国市場の開拓を進める。

 NECが開発した人工衛星は経済産業省の資金支援を受けているほか、衛星関連で初めて国際協力機構(JICA)から円借款を供与される。日本の打ち上げ施設を使い、衛星を宇宙に運ぶロケットは日本製を使う案が浮上している。

 【 2020年代の新総合商社論 】



 NECが新たに開発した地球観測用の衛星が「ロータスサットワン」(重量約500キログラム)。衛星を動かす基幹部分を量産できるのが特徴で、価格を同性能の衛星に比べて約5分の1に抑えた。

 ベトナムは台風などによる洪水の被害が増えており、天候を監視・分析するため衛星を2機打ち上げる計画。住商・NECは今回、1号機を受注しており、2号機の入札にも参加する方針だ。

 NECの宇宙事業は国内が中心で、年間売上高は400億円規模。住商の宇宙関連の売上高は約20億円だ。

 日本企業で人工衛星を作るのは三菱電機とNECが中心。三菱電機は08年にシンガポール・台湾、11年にトルコ、14年にカタールで通信用の衛星を受注したが、01〜14年の世界シェアはわずか2%にとどまる。

 米国衛星産業協会によると、衛星の世界市場は15年が2083億ドル(23兆円)と10年比で24%増えた。東南アジアや中南米などの新興国では経済発展に伴って人工衛星を自国で保有する動きが広がる。通信環境の改善や自然災害への対処、軍事面での活用と幅広いニーズがある。

 世界の衛星市場は欧米メーカーが圧倒的な存在感を示す。「欧米は宇宙開発の国家予算が日本よりはるかに多い。打ち上げ回数が多く、安価な衛星製造が可能だ」(日本総合研究所の斉田興哉マネージャー)。中国やインド、韓国の衛星メーカーも台頭しており、受注競争が激化している。

 日本政府は24年度までの宇宙政策の指針を定めた新たな「宇宙基本計画」を15年に策定。遅れている宇宙開発の強化を急いでいる。
posted by ヒデキ at 23:03| Comment(0) | 住友商事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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