2017年07月20日

丸紅がアメリカで高級牛肉を生産

 丸紅は米中間の食肉貿易の拡大を見越し、牛肉加工・生産事業で米国に進出する。高級牛肉大手の米クリークストーンファームズ(カンザス州)を約200億円で買収した。中国は過去15年近く米国産牛肉の輸入を禁止していたが6月に解禁。

 中間層の成長もあり米国産牛肉の消費拡大が見込まれている。米国など主要国の通商政策の変更を商機ととらえる動きが広がりそうだ。

 18日付でクリークストーン社の全株式を取得した。投資額は丸紅が引き継ぐ負債を含め約1億7千万ドル(約200億円)。丸紅は社長ら5人程度を派遣し経営に参画する。

 クリークストーン社の2016年12月期の売上高は5億5千万ドル(約620億円)。畜産農家から肉牛を買い上げて食肉に加工し、外食店や食品スーパーに卸している。牛肉生産量で米国12位、高級牛肉分野では上位数社に入る。16年は25万頭分を処理し、米国向けが約8割、欧州・日本など米国外が2割を占める。

 中国政府が6月に米国産牛肉の輸入を解禁したため、クリークストーン社は中国への輸出ライセンスを同月に取得した。今後は中国を中心に新興国への輸出を増やし、20年12月期に売上高6億2千万ドルを目指す。

 丸紅は40年以上前から米国産の牛肉を日本に輸入してきた。1988年には牛の飼育牧場を持つオーストラリアのレンジャーズバレー社を買収。同社は現在年間4万頭を出荷し、豪州や日本、中韓や欧州、中東で牛肉を販売している。丸紅はこの販路を使ってクリークストーン社の牛肉輸出を増やす。

 経済協力開発機構(OECD)などによると、世界の牛肉消費量は16年が6835万トン。新興国の人口増加などで26年には7604万トンに1割強増えると推計している。

 中国政府は03年に米国でBSE(牛海綿状脳症)が発生して以来、米国産の輸入を禁止してきた。米中両政府が今年5月に貿易不均衡を是正する「100日計画」で合意したことを受けて、今年6月に米国から中国への輸出が始まった。丸紅はこうした主要国の通商政策の変化をとらえ、事業拡大につなげる考えだ。

 伊藤忠商事は13年にカナダの豚肉生産会社ハイライフ社に出資し日本に輸入している。16年には東京都内にカナダ産豚肉を使った料理を提供する直営店を出店した。環太平洋経済連携協定(TPP)の発効で豚肉の輸入関税が下がれば、カナダ産豚肉の販売に追い風となる可能性がある。

 【 商社 2018年度版 産業と会社研究シリーズ 】
 
posted by ヒデキ at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 丸紅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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