2016年01月04日

2016年のアメリカ経済について (2)

【 2016年のアメリカ経済について (2) − アメリカは世界の警察官を止めた! American Economy in 2016 】

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 アメリカはどうやら疲れてしまったようです。“世界の警察官” の役割を果たすことに。

 地球の反対側で起こる国際紛争を収めたり、テロを未然に防いだりするために、CIA(米国家中央情報局)やNSA (国家安全保障局)、そして米軍を繰り出して、中東情勢やロシア情勢、中国情勢を平穏無事に収めるには多大な犠牲とお金がかかります。

“世界の警察官” を務めるためにかかるコストはぼう大です。2003年のイラク戦争のときに派兵された米軍の累計230万人のうち、6人に1人、約50万人がPTSD(精神疾患)にかかり、自殺する帰還兵が年間6,000人にも上ったそうです。

 こうした費用対効果を考えると、アメリカは広く世界に進出して軍事介入をするよりも、国内で自国の国益をたんたんと追求するほうが楽だということに気付いたようです。

 20世紀は石油の世紀でした。天然資源を大量に保有し、安いエネルギーを国の工業資源に転化できる国は豊かな経済を楽しむことができました。

 一時は日本経済の飛ぶ鳥を落とす勢いに減退したアメリカ経済でしたが、20世紀の終わる頃、IT技術で 吹き返しました。新しいモノ好き、革新とイノベーションで新しい経済(需要)を創るのが好きなアメリカ人は、家電製品と自動車という日本経済の必殺武器の代わりに、ITで新世紀の経済の主導権を見事に取ったわけです。

 株式市場で最も評価される米国企業は金融とITの2大産業です。このうち金融業は19世紀のモルガン、ロックフェラー(シティバンク)、メロンの3大財閥から栄えていましたが、IT産業は1990年代の後期から急速に栄えました。

 マイクロソフト、アップル、インテル、アマゾン、グーグル、フェイスブックと、時価総額上位の企業を連ねています。たった10年、15年でここまで世界の経済を制覇した力は恐るべきものがあります。

 時代が2000年に入ると、アメリカはもう一つの強大な武器を手にしました。それがシェールガスです。地中深くにある頁岩層の岩盤から取れるシェールガスは、従来の原油に代わる新たなエネルギー源として、急速に代替エネルギー源として注目されました。

 それまで大型のアメ車がガソリンを垂れ流し、電気もガソリンもガスも使いたい放題で、原油の輸入国だったアメリカが、自国内で取れるエネルギーを開発したおかげで、原油の輸出国に転じてしまったのです。

 エコノミストは、米国が世界の基軸通貨国だから、中央銀行の輪転機を刷ればするほど米ドルが印刷できるのだから、貿易赤字も経常赤字も垂れ流し放題で、アメリカの財政問題は解決不可能と言っていました。

 ところが、石油を自国内で大量に生産し、2016年からは石油の輸出国に転じたアメリカは、もはや中東の原油に頼る必要がなく、世界の警察官として中東、欧州、アフリカに大量の米軍を派兵する必要がなくなりました。

 サウジアラビアの石油にたよらなくとも、自国内で石油を生産できるようになったわけですから、 “パレスチナもユダヤもシーア派もスンニ派も、イラクもイランも知ったこっちゃない! 勝手にやれや!” という訳です。

 世界情勢が一気に不安定になったのが2015年の冬、アメリカの石油輸出解禁のニュースです。これにつけこむ国々がいるのです。

 ISIS(イスラム国)が、フランス・パリの劇場同時テロで120人余りを殺戮したのは記憶に新しいですが、アメリカが世界の警察官を止めると、世界情勢がとたんに不安定になるのは自明の理です。

 2005年に米ゴールドマン・サックス証券のエコノミスト、ジム・オニールが世界新興国に BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国等) という名を命名し、新興国がいちばん経済成長の伸びしろが大きい訳だから、新興国に投資しようというブームを巻き起こしました。

 その後、NEXT 11(ネクストイレブン: イラン、インドネシア、エジプト、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、)が主要な経済成長のリード国として、これらの国の株式や債券が買われはじめました。

 その後、2007年のサブプライム・ショック。。。
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 (つづく)
 
【 なぜ日本経済は世界最強と言われるのか − ぐっちーさん、丸紅、モルガン・スタンレー証券、ABNアムロ証券を経て投資銀行を創業したエコノミスト 】

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