2015年01月03日

2015年の世界経済、日本経済について − 経済はこう動く

 ミクシイ友達の会社経営者が2015年の世界経済について、日本経済について非常に秀逸な観測をしていましたので共有します。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 今年は12月30日までマーケットが動いておりましたため、年末ギリギリまで落ち着かず、どうもそわそわする一年でした。

 リーマンショック時に自社の売り上げが露骨に落ちるという事件に直面して以来、かれこれ6年程、経済・金融関連の分析を努めておりますが、何年経とうが世界のマーケットに少しでも触れていると、実務が年納めしていてもなかなか落ち着かないものです。

 2015年の前半には、原発再稼働問題、憲法改正問題、TPP論争、沖縄基地建設問題と、難題山盛りのアベノミクスですが、経済的な観点から言えば、取りあえずは12月14日の解散総選挙に伴い、消費税増税の延期が為されたのでほっとしております。

 当初の予定通り、2015年の10月に10%に引き上げていたら、IMF・S&P・ムーディーズ連合艦隊様的にはレーティング上、ご満足頂けたかもしれませんが、それ以前に国内市場がフルクラッシュ。洒落にならない事態を招きかねなかった中、安倍首相・黒田総裁はギリギリの立場で良くやりきったと思います。

 ここは手放しで賛辞を送って良いのではないでしょうか。タカ派の財務省、またその意向を汲む自民党議員と、ハト派の世論、その流れを汲む自民党議員。魑魅魍魎に挟まれた状況の中で、短期決戦で民意を問うと解散総選挙を決行し、結果的に320議席以上自公で取ったのは良くやりきったなと思います。

 2015年10月に増税されたら、ファンダメンタル的に言えば、日本経済は完全にアウトでしたから。

 まあ、2017年4月からの増税は決行するとコミットしてしまっているので、結局のところ、クラッシュが早いか遅いかの違いでしかないのですが。後述しますが、日本はもう後戻りの出来ない未曾有の領域に足を踏み入れました。

 行き着く先は強烈な円安と物価高、実質賃金の継続的大幅下落と実質消費の大幅減少です。それでも、短期間で破綻されるよりは少しでも後に伸ばしてくれた方が良い。それまでに何らかの打開策が打ち立てられれば、日本経済が延命するウルトラCが見つかるかもしれません。可能性は著しく低いかもしれませんが。

 振り返れば2014年は、日本経済が景気後退局面に移行した可能性が著しく高い。いや、移行したと断言しても良いかもしれない。去年末のブログにも書きましたが、やはり消費税増税8%はダメージが大きすぎた。

 “増税後は、投資家各位気をつけた方が良いでしょう”という主旨の発言をしましたが、予想通りというか、懸念通り、国内のマーケットは本格的に消費減退モードに入り、企業の在庫比率も高まり、釈迦に説法ですがGDP成長率マイナスという厄介な問題を抱えてしまいました。

 消費税増税を決行した2014年4月から景気後退は本格化。4月-6月期のGDPはマイナス7.1%という驚異的な数値をたたき出し、7月-9月期もマイナストレンド継続。景気の循環変動を捉える際に良く使われる、鉱工業生産統計の中の製品在庫率指数も、2014年1月には99.3ポイントでボトムをつけていたものの、7月には118.4にまで上昇(つまり在庫過剰。売れていないと言うこと)。

 GDPや在庫率指数を見るまでもなく、いち消費者としての体感でも、消費税8%というのは高い。50万円のものを買うと、今までは2.5万円の消費税だったのが、4万円に増えている。この差は明らかに大きい。

 実質賃金が上昇局面に入っていれば、給与増額分が増税分を上回ることが見込めるものの、実態は政府が公務員の給与を無理矢理底上げして賃金改善をアピールする始末。民間の給与総額は変わっておらず、この状況下で消費意欲減退と実質消費冷え込みのダブルパンチは痛すぎました。

 デフレ脱却、そのための円安・株高といったアベノミクスが、企業の在庫比率上昇、GDPマイナス成長という確かな壁に激突し、その限界と失策が表面化してしまいました。アベノミクスは確かに失敗してしまった。日本は、近未来にのしかかってくる膨大な社会保障費をまかなう術を失ってしまいました。

 そんな中、12月16〜17日に開催された米FOMC(米連邦公開市場委員会)の記者会見におけるイエレンFRB議長の発言は、日本経済にとって唯一の救いと言え、非常に絶妙な内容でした。

 米ドルゼロ金利策の維持に関して「相当な期間」という表現を削除するとの見方が市場コンセンサスの中、その予測を覆して残したのみならず、利上げ時期については「少なくとも向こう2回(15年1月、3月)のFOMCで始めるとは考えられない」とし、「金融政策を正常な状態に戻し始めるのを“忍耐強く待つ”」との文言を付け加えました。

 すなわち、米国の利上げは15年4月以降までないことを宣言したに等しく、現実にはイエレン議長の記者会見が予定されているFOMC開催は2015年6、9月なので、早くても6月の実施となることを示唆したわけです。マーケットは「時間的に充分猶予がある」と判断。

 結果的に、このイエレン議長からの“一足早いクリスマスプレゼント”を受け、投資マネーの収縮危機が和らいだ格好となり、日本株含めて、世界株式の上昇に繋がったわけです。

 イエレン議長の発言を受けて、日経平均・先物は急回復。クリスマス前後までは、堅調な回復を魅せました。この流れを受けて、2014年年末は、“掉尾の一心”を地でいく大納会になるかと思いきや、12/29にまさかのギリシャ選挙が膠着の巻。

 次の選挙日である1/25まで持ち越しがなされ、可能性は低いですがユーロ脱退クラッシュの物語が燻ったことは実に気持ちの悪い年の瀬でした。日経平均先物も12/30時点で17200円台まで急落。LC巻き込みながら窓を埋めに行く、嫌なチャートとなってしまいました。

 まあ、S&Pケース・シラー住宅価格指数が良いという話もありますし、2015年6月まではドルの利上げがないことを考えると、1/25前後までぐずつく可能性は残れども、我らが日銀ETFロケットランチャーがきっと炸裂することでしょう。実質ドルの利上げが織り込まれてくる4月手前頃までは、比較的株式投資も債券投資も安心して見ていられるのではないでしょうか。

 国内株に関して言えば、10/31の黒田大砲以来、一度も循環物色されていない新興市場が直近注目を集めています。年始〜2月頃までは新興株が注目される形になりますので、割安銘柄は順次拾い集めていくと良いかもしれません。

 日経平均株価に関しても、年末こそ『エボラだギリシャだ原油だ』で急落しましたが、債券利回りと株式の適正益利回りの格差(イールドスプレッド)を元に適正株価を算出すれば、日本の長期金利水準1%の前提で、標準的な利回り格差を3%と考えると、株式の益利回りは4%、PERでいえば25倍が妥当となり、固く見ても21,000円~22,000円、場合によっては24,000円を目指してもおかしくない状況です。

 加えて後述する円安トレンドがフォローしますから、外国人機関投資家からは格好の的でしょう。はっきり言って、日本株はまだまだ割安水準です。

 従い、ドルの利上げが想定される春先ぐらいまでに一度19,000円〜20,000円近くまでトライし、イエレン議長の発言で急落、その後夏枯れを見越して凧相場になりながらも、例年通り秋口から急反発して年末に21,000円〜22,000円近辺の最高値圏をトライする、というのが最も平和的なシナリオかなと。

 NYダウも流石に調整するでしょうが、調整幅も最大2,000ドル近辺で収まり、その後は堅調に伸びるのではないかなと。

 理財商品のチャイナショックや米ロ冷戦の悪化、ギリシャユーロ脱退など、予期せぬ事態が起こったら話は別でしょうが、オーソドックスに読んでいけば、年始〜4月までは新興株&先物で回転させ、春先からドルの利上げ言及まではノーポジで下落を待ち、夏前後〜9月・10月あたりの崩れきったあたりで再エントリー、年末高値更新のところで売り抜け、というのが理想的なトレードと感じます。

 来年の秋口には郵政の上場も噂されていることもあり、仕込むには狙いやすいポジションかと思います。

 為替については、まず目先、恐らく3ヶ月以内程度に、ドル円124円を目指すでしょう。年末に向けてはGSが示唆したように130円をボトムラインとして、もう少し上値までトライするのではないでしょうか。人民元に関しても、6年前から訴え続けた悲願の1元=20円にタッチ。名実共に、ドル・人民元二大通貨時代の到来です。人民元は、引き続き上昇局面に入るでしょう。

 ユーロは売りです。来年はユーロシューターとして、ユーロドル売り叩いた方が良いと思います。1.20まだまだ割るかと思います。ユーロのロングは要注意です。危険だと思います。ギリシャ、DAX、燻る要素が多すぎます。

 アフリカのランドは貴金属始め豊富な資源を有している割に、利上げ出遅れ通貨です。政策金利も約6%と、ピークの時の半分近く。手堅く政策金利二倍を目指して行く通貨として、しばらくは安心して見ていられる通貨ではないでしょうか。ランド円9円台は迷わず拾って良い、安心の通貨である気もしています。

 対して、今年一年小職もお世話になったブラジルのレアルは政策金利が11.75%を迎え、新政権は自国通貨の利上げに積極的でなく、2016年オリンピックの折り込みも踏まえると、上下動しやすい通貨になってしまった。

 テクニカルチャート的にも少し不安を感じる動きをしておりますので、来年はかなり乱高下が想定される通貨ではないでしょうか。ポジションを持つにはあまりお勧め出来ない通貨かと思います。

 また、現物・コモディティについてですが、基本、ドルの利上げは、一部新興国からの資金引き上げを招きます(高リスク通貨より低リスク通貨のドルで高金利運用したがるため)。新興国は自国通貨を守るために、外貨準備高や金を売ります。

 すると、過剰流動性によって上昇し続けた金の価格は、緩和縮小の流れを受けただでさえ下落傾向にある中、新興国からの金叩き売りを浴びせられる格好になりますので、相当の値下げが想定されます。来年は金の値下げを念頭におかれた方が良いかもしれません。金(及びプラチナ)のショートポジションを狙うには面白い年だと思います。

 2015年は、日本が再生するか没落するかの分水嶺となる一年でしょうね。といっても、申し上げたように量的緩和、追加の黒田大砲を行ったにも関わらずGDPはマイナス。GDPマイナスとは、言い換えれば国の総需要の減少です。

 需要がなければ創れない。創れなければ、雇えない。間接的に民間の雇用機会が削減され、実質賃金が上昇しないオチになったわけですから、浮上するにはなかなか難儀な状況なわけですけれども。決まって支給される給与(実質賃金)も16ヶ月連続マイナスですから。賃金の減少、消費の減退、企業業績の悪化という流れは確定的になってしまいました。

 いやあ本当に痛かった。そして惜しかった。安倍政権発足当初、デフレ対策として金融政策と財政政策を掲げたアベノミクスは、マネタリーベースを増やすところまでは素晴らしく良かったものの、マネーフロー(ストック)を増やしきれず、総需要を創れなかった。

 政策がフリードマンに傾倒しすぎた。景気回復には有効需要の創出がやはり鍵なのだ。金刷るだけじゃ駄目なんだよ。日銀の貨幣供給量だけでは物価をコントロール出来ないのは歴史が証明している。お金を刷るだけじゃなくて、設備投資や総需要の創出に向けて僅かな工夫をすれば日本の復活は成功した。

 あるいは貸出総量緩和法か何か創って、徹底的に企業と個人へ資金を注入すれば良かった。公共事業でも良い。ほんの少しだけ、ケインズの要素を混ぜれば良かった。グローバリゼーションの時代に小さな政府を目指そうとすると、民間金融機関はリスク資産には投資しない。

 賢いファンドマネージャーを抱えていれば、円キャリートレードをかまして、外債で運用する。そりゃそうだ、ゼロ金利なんだから。良く分からない経営者に金貸すよりは、高金利通貨や安全資産の方が圧倒的に魅力的。

 金融庁もそれを推進する。こうなると、日本国内の民間設備投資はいつまで立っても増えない。民間設備投資が増えなきゃ、総需要は増えない。総需要が増えなければ雇用機会は減る。雇用機会が減れば実質賃金も上がらない。当たり前の話だ。そこにきて総需要抑制の急先鋒である消費税増税。8%を2014年4月に決行した時点で、アベノミクスは実質矢折れ力尽きた。

 確かに気持ちは分かる。財政状況が逼迫していて、というか逼迫していると思わされていて、対GDP債務比率が200%越えていようが本当は国の資産が1,000兆円以上あり、対外純資産(対外債権、主にドル)も320兆円以上ある世界で一番豊かな国なのに、International Monetary Fund(IMF)からは “お前の国はやばいから絶対増税しろ” と脅されるわ、格付け機関の一味には財政健全化させるために消費税増税をしないとレーティング下げると揺すられるわで、時の政権は国際社会の評価を常に気にしなければならない。

だから、どこかのタイミングでプライマリーバランス黒字に向けた動作(ポーズ)を取らないと行けない気持ちは、十分分かる。麻生さん、黒田さんの言っていることも良く分かる。しがらんだ状況下での発言ととれば、言っていることは極めて正しい。

日本が置かれている現状というのは、正に前門の虎、後門の狼状態なわけです。財政健全化に向けて政策を練ると民業が圧迫され、財政健全化を先延ばしすると海外の黒船船員からショットガンで背中を撃ち抜かれる。

身動きを取るに取れない最大の要因は、1.人口の減少と、2.借金過多。今後日本は人口の絶対数が減少していき、2050年には9,000万人にも至ると言われる。いつ地震が来るか分からず、放射能はだだ漏れていて、中国・アジアとの外交(戦争)リスクを抱える我が国は、人口の絶対数が減り産業が根本からシュリンクするという事実と立ち向かえるだけの好材料を世界に発信することは出来ず、かといって財政健全化の施策を無視することも出来ない。

そこで折り合いをつけてトリクルダウン政策(富裕層や大企業に富を落とし、民間を潤すことを狙った政策)を立案した。そのために、輸出企業に有利な消費税増税を決行し、法人税減税を示唆し、金融機関を潤す大量の量的緩和を実施。

経団連を構成する輸出企業にとっては、消費税は還付される特別利益の原資ですからね。だから経団連は消費税増税を推奨するんですね。彼らは1%増税で数百億円還付金儲かるからね。日本って怖いね。で、当たり前だけど、グローバリゼーション全盛の時代に、ナショナリスト(国士)の存在を前提としたトリクルダウン政策なんてやっても意味があるわけがない。

『自国のためより自社の利益』がグローバリストの共通言語です。結果として、刷られたお金は金融機関と一部の大企業にとどまり、金融機関は貸出先がないため全ての資金を不動産と株式で運用、大企業は調達した資金を使って海外の設備投資に回し、残りは内部留保に振り替えてしまった。これがアベノミクスの正体。

 敗因の理由。株価・不動産が爆謄しているのに、どうも一般人は豊かになった気がしない。そりゃそうです。中間層を支える一般企業は物価が上がり粗利が経る中、満足の行く資金調達が出来ていないわけだから。その中で、一生懸命利益を出そうと工夫して人件費マネジメントしていたら、ブラック企業だなんだと叩かれるんだから。

 で、『深夜営業しません、もう雇用改善します』と宣言して、適正な営業利益創出のため業界的に牛丼の値段上げたらまた叩かれるんだから。なんだよ! 

 学芸会じゃないんだから自分が企業を叩いたら何が起こるか予想しろよっての。全ての原因は、マネタリーベースは増えたのに、マネーフローに至らなかったこと。有効需要を創出出来なかったことと、トリクルダウン政策の致命的読み違え。結果として民間企業は多少の資産効果以外恩恵を受けることが出来ず、アベノミクスは失敗に終わった。

前述した1.人口減少と2.借金過多を全ての要因として考えると、1.の人口減少なんて数十年前から計算して人口動態設計しないと解決方法ないのだから、International Mafia Fundに今更言われたって、そんなの勘弁してくれよって話。

後者の2.借金過多については、1975年に赤字国債の特例法を解禁したのが全ての始まりで、その後1985年のプラザ合意からバブル崩壊、不良債権処理の原資から失われた20年に至るまで国債ばらまくしか方法無かったんだから、今の世代にツケを回されても冗談じゃないよってのが本音。

アベノミクスの実施に至った二大疾病は、全て上の世代方々の失政と、今やGDP比10%に満たない輸出階級の華族達に起因する。アベノミクスの失政にも原因はあれど、本質的には、シニア層と一部の輸出階級の皆さんのツケを被らされているのが、中間所得層を支える我々20代〜30代。だから問題の根は凄く深いし、ウルトラCで解決出来る話でもない。

1971年のニクソンショックから始まった、急激な円安→円高トレンドが、世代を超えて、円高→円安トレンドに入ったって話に過ぎない。1ドル360円が当たり前だった金本位制時代から、ドル石油体制に移行したドル円100円近辺の時代、そしてこれからは世界同時量的緩和という未曾有の時代における失われた国としてのドル円200円〜300円の時代。

ただそれだけのことなんですよね。たかだか20年足らずで円が4倍の価値になったわけですから、一定の潜伏期間を経て、これからその逆回転が起こるだけ。円の価値が1/2、1/4になっていくことは確定的な流れなわけで、我々世代というのは、このトレンドを否定するのではなく、また無駄な抵抗をして国家を暴走させるわけでもなく、正面切って受け入れていかなければならないわけです。

しばらくはアメリカのロシア潰しで原油が下落を続けるでしょうが、原油が本格的に上がり始めたら最後。物価は暴騰し、本格的なスクリューフレーションが到来する。そうなると、今年みたいに年収100万円時代のノマド的生き方では貧困時代を生き残れなくなり、ブラック企業を糾弾したり、生活保護をもらったりする気力まで奪ってしまうことになる(財源がとっくにないだろうけれど)。

せっかく若者が絶望の中で貧しい時代と折り合いをつけて生き抜く術を模索しているのに、最低限のライフラインまで奪われるような超貧困社会が訪れたら、あまりに不憫で忸怩たる思いしかありません。

いやもしかしたら、究極的に貧困社会が訪れると、普通の人が普通の生活をするためには、都心での生活コストはとてもペイ出来ず、地方に行くしか無くなるかもしれない。そしてたくさんの人が地方に行くことにより、地方が復興すると。それが安倍さんの言う地方創生だったりして。

それはそれでとてもシュールだけど。どんな理由があれ、地方に人口流入が為されることは意義のあることですからね。

フランスの経済学者、トマ・ピケティは、その著書『21世紀の資本』の中で、

・r > g
※r=資本収益率、g=国民所得の成長率

という極めてシンプルな公式により、資本主義の根本的矛盾を指摘しました。国民所得の成長率を資本収益率が上回り続ける限り、資本主義下においては、歴史的に格差は拡大し続ける。

世界各国の対外資産を足すと、何故か対外負債を下回る(つまり世界の対外純資産はマイナス)という世にも奇妙な物語が存在するわけですが、これもひとえにふくれあがった資本収益がタックスヘイブンに隠されているが故の話。

富める者はrを最大化させタックスヘイブンに資産を隠し、増えた負債を労働者が背負い続ける。gがrを上回らない限り、貧富の格差が拡大していくことは免れません。

『資本主義は最悪のシステムである。しかし、資本主義以上のシステムは存在しない。』


こう喝破したのはイギリスのチャーチルでしたが、正に資本主義のなれの果て、現代の金融資本主義という制度は、所得の再分配機能を無くした、貧富差拡大装置となりさがってしまいました。

本当は全世界の政府・金融機関に均等で0.1%でも資産課税をすれば、富の分配機能は健全化するわけですが、現実的にはそんなこと、とても不可能でしょう。であるならば、日本の地方が立ち上がって、タックスヘイブン効果をもたらす、いわばヘッジファンド機能を有した街が沢山出来れば良いのですけれどもね。

そうすれば外貨も稼げるし、口座開設目的で外人が来れば異文化コミュニケーションにもなるし、英語教育にも繋がる。人口流入効果も見込めて地域が潤う。

街に沢山の外国人が来れば、スクリューフレーションにより都心で生活に苦しむ若者もIターンUターンで地方に戻ってくるでしょう。人口流入が生まれれば商業が発展し、商業が発展すれば町はきっと豊かになる。日本という狭い地域で所得格差を埋めるスキームがパッケージ化出来たら、世界の貧富の差が埋まるヒントになる気がしてやみません。

さておき、日本政府は後戻りの出来ない片道切符の特急列車に乗ってしまいました。ただ貯金するだけで、資産が目減りする時代。貰えない年金という根拠なき支払いにも関わらず、永久上昇を義務化される社会保険料。

圧倒的に下落する可処分所得。上がり続ける税率。炸裂が懸念される国債バブル。そのリスクにつけて220兆円の巨額年金(GPIF)を国内株と外国株に投じる一興。

この特急列車の行き着き先が天国なのか地獄なのか・・・ハイパーインフレ、スタグフレーション(スクリューフレーション)、社会保障費破綻、金利急騰に国債暴落と、目の離せないイベントラッシュが近未来、続いて参りますが、墓場に片足を突っ込もうとも、最後まで日本経済の行く先を見守っていきたいと思います。我々にはその義務があり責任があります。

 ・FRB利上げに伴うダウの大幅調整
 ・ロシアクリミア危機
 ・DAX変調によるドイツの苦境

 ・ギリシャを始めとするPIIGSの破綻
 ・欧州経済の先行きを不安視したユーロの急落
 ・理財商品の炸裂によるチャイナショック
  ・大震災・天災

上記のように、現代の日本はバルカン半島7つ分ほどの火薬庫を抱えており、そのどれか一つでも炸裂すると、日本経済のクラッシュ、皮切りに、世界恐慌が起こりえる状況下におります。

信用をベースにしていた金融というツールの限界がここまできていると、これからの生き方を見直す時期に来ているのかもしれません。国が破綻しても人は残ります。韓国は1997年、ロシアは1998年、アルゼンチンなんて何度も破綻しておりますが、国民の命が取られることはありません。

そこに山河あり、人あり、知恵・資産があれば、復活をすることはいくらでも出来ます。膨張した金融資本主義が揺り戻しをした後に、本当のユートピアに向けて人類が歩めるきっかけになるのであれば、多少のショックは必要悪なのかもしれません。

大切なのは、起こるべきことを逃げずに受け入れ、そして正しく解釈し、その先の時代を見据えた生き方をしていくことでしょう。それこそが、我々の為すべきことであり、出来ることだと思います。そして、地球市民の意識を持った人達との繋がり。これが、これから降ってくる天災及び人災を免れる唯一の道なのでしょう。

国破れて信義有り。信義ありて、国蘇り

今年の一年は、一生涯大切にしたいと思える人格者の人々と沢山のご縁を頂きました。幸いなことにその多くは、柔軟な発想で、次代を見据えた慧眼を持つ方々ばかり。来年は、ショックに備えて仕掛けをしながらも、有事に備えた強固なネットワークを構築し、新しいコミュニティの在り方を模索する一年にしたく思います。

21世紀は国・企業に雇われない時代。4年以上前から提唱し続けた生き方、在り方が、本格的に求められる時代に入ったと確信しております。国境、政治や経済、ボランティアと、セクターを分けて何かを決める時代は終わり、分断された機能を統合し、それぞれのノウハウや資産を活かし合い、有機的に結びついて行く。

 正に共生の時代に入ったと言えます。来年も有意の方が増え、情報を発信し、社会が変な方向に行くことを防ぎ、多少の貧富差はあれど、平和で安心な生活が健全に営まれることを祈念し、そしてそのことに責任を持って、本年最後の稿としたく思います。激動と絶望の交差する中に希望を見出す素晴らしい一年を祈って。
それでは皆様、よいお年をお迎えください。
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック