2014年12月15日

ヘッジファンド特集 (2)

 全国エクイティ・ピープル(株派) 必読っ! 敵陣の秘密を全部バラします(笑)

 “まばたき1回で1万回も株を発注 超高速取引が市場を振り回す”

 1秒間に数千回もの注文を繰り返す超高速取引のHFT(High Frequency Trade)。市場をかく乱する “悪玉論” が飛び交う謎に包まれた業者。その手口と株価への影響とは?

 「 超高速取引は、資本主義にいかなる貢献もしていない 」 と証券取引の神様、ウォーレン・バフェットは市場で急速に存在感を示している “光速プレイヤー”をばっさりと切り捨てた。HFTと称される超高速取引を仕掛ける投資家たちだ。

 人が1回まばたきをする間に1万回もの注文を出すことができ、米国の株式市場での売買代金に占めるシェアは5割にのぼると言われる。

 だが、企業業績を吟味した上での長期投資が真骨頂のバフェット氏と、利ザヤを狙ってマイクロ秒 (1マイクロ秒=100万分の1秒) 単位で発注を繰り返す手法はまさに水と油だ。

 2014年2月には、バフェット氏自身が率いる投資会社傘下のプレスリリース配信会社が、HFT業者への情報配信を取りやめ、市場関係者の注目を集めた。他の投資家から忌避される理由はそれだけではない。特別に安い手数料で優遇さrたり、非公開の情報を入手して利益を得ているとの疑惑がちらつくからだ。

 3月には、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所グループ (CME) とインターコンチネンタル取引所(ICE) が、取引高の多い一部のHFT業者の手数料をひそかに割り引いていた疑いがあるとして、米商品先物取引委員会(CFTC)が調査していると報じられた。

 この疑惑を受けて、「市場の番人」 と恐れられる米証券取引委員会(SEC)もまた、取引所への調査を始めた。

 2013年6月には、金融情報大手トムソン・ロイターがHFT業者向けに、経済指標を実際の発表より1000分の1秒早く伝えていたと発覚。HFT業者側も批判を浴びた。他の投資家からこうも反発を買うHFT取引とはいったい、どのようなものか?

 野村証券の渡邊譲司エグゼキューション・サービス部長は、「統計学とテクノロジーを駆使し、株を保有するのは数秒から数分という非常にサイクルの短い投資手法」 と開設する。

 どれだけ速いスピードで注文が出せるかが利益に直結するため、常に最新のテクノロジーの枠を集め、
「最速では100万分の1秒単位でしのぎを削っている」 という。そのため社員には世界的な名門大学の理系の博士号出身者がごろごろいる。

 企業業績やマクロ要因などファンダメンタルな要素から判断をするのが投資の王道だが、それとは対照的に、HFT業者はアノマリー (理論では説明のつかない株価の規則的な現象) や市場間の同じ銘柄の価格差などを瞬時に見つけ出して取引する。

  HFTの主なプレーヤーは、専門業者であるプロップファーム (自己勘定の金融業者)、シタデルやミレニアム、ルネッサンス・テクノロジーズなど、HFTを戦略の一つに組み込んだヘッジファンド、そして証券会社のプロップデスク (自己売買部門) だ。

 欧米では1990年代後半から広がりはじめたといわれるが、日本への本格進出は、2010年に東京証券取引所が、1000分の1秒で注文を処理できる新売買システム “アローヘッド” を導入してからだ。

 というのも、欧米ではHFT業者同士の競争激化で消耗戦に陥った結果、利ザヤが薄くなり、2009年頃には株式市場でのシェアの伸びが頭打ちになったといわれている。そのタイミングで東証が、高速取引に対応できるシステムに刷新した。

 アジアの他の市場と比べれば、流動性が高く、取引コストも割安とあって、彼らが 「絶好の狩場」 と乗り込んできたわけだ。

 【 ヘッジファンド − 投資家の野望と興亡 (1) 】
  


【 ウォール街のマネーエリートたち − ヘッジファンドを動かす人々 】

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