2014年10月03日

”残業ゼロの働き方” 仕事革命を起こした伊藤忠商事

 ”メールを片っ端から返信するように”

 伊藤忠商事では岡藤正広社長のリーダーシップのもと、2013年10月から夜の残業のあり方を見直し、朝方勤務への転換に取り組みはじめた。
20時以降の残業を原則禁止して、どうしても必要な場合は事前申請とし、22時以降の深夜残業を禁止する一方、残業は翌日の朝にシフトするというものだ。

 インセンティブとして、朝5時から8時までの時間帯は深夜勤務と同様の割増賃金を支払い、8時前に始業する社員には軽食を提供している。

 しかし世界を相手に24時間戦う商社で、果たして朝方勤務へのシフトなどが可能なのだろうか。最初にこの方針を聞いた金属カンパニー原子力・ソーラー部の太田剛氏は、同様の印象を持ったという。

 「自分の都合で仕事を切り上げるのは顧客第一と真逆の発想ではないかという疑問もある。だから朝型勤務とはいっても自主運用の範囲内で、あまり自分に影響はないと思っていました。」

 ところが、実際に運用がはじまると、思いがけない事態が起こった。
「 見回りの人が来て、『なんで帰らないのですか』 と注意され、翌日も 『昨日残っていた者、出てこい』
と言われ、会社は本気でやる気なのだと。これは仕事のやり方を切り替えないといけないと思いました。」

 それまでの太田氏の一日は、繁忙期を例にとると朝9時に出社し午前中はメールチェックや打ち合わせの準備、午後は夕方まで顧客とのミーティング。夕方から夜にかけて社内の協議を行って自分の業務に戻り、終電まで集中するというパターンだった。

 こうした働き方が不可能になり、見直したのが午前中の使い方と仕事の進め方である。

 「 今後は午前中からミーティングをどんどん入れていかなければ業務が回らなくなってしまう。それには一つひとつの物事を考え、決めるプロセスを早める必要がありました。」

 たとえば何らかの返答をしなければならないとき、従来はいろいろな人の話を聞いてから考えをまとめていたものを、自分の考えや仮説を作ってからその確認を取りに行く形に変えた。つまり自分が議論をリードし、ダメならもう一度やり直す形に変えたのだ。

 メールの返答も以前は1件読んだ後、別のメールも読んでしばらく考えてから返答していたが、1件ごとに読んだらすぐ返信するように変えた。そうすると相手の返答も早まり、物事が進む相乗効果も生まれた。仕事の進め方を見直すことで、1日8時間かかっていた仕事が6時間でできるようになった。」

 現在の一日は、7時に出社し、前日の積み残しやメールチェックを済ませ、9時から社内ミーティングを行い、午後から顧客とのミーティングに出向き、19時半までにその日の振り返りと翌日の課題を整理して退社する。退社後は会食等がなければジムで汗を流して帰宅し、24時には就寝し、6時に起床する。

 「以前と比べると仕事でこなせる量が非常に増え、実力が上がったと実感しています。お客様と支障が生じることもなく、むしろ 『いい制度ですね』
と言ってもらっています。生活面ではジム通いで12キロ痩せました(笑)。」

 伊藤忠商事 人事・総務部の梅山和彦企画統轄室長代行は、

 「この取り組みを通じ、いかに限られた時間のなかで業務を効率的に行い、成果を出していくかという意識が根づき、仕事の優先順位のつけ方や見極める力が付いてきているという印象を持っています。」
と語る。

 (引用: プレジデント 9月29日号 ”時間の科学” )






posted by ヒデキ at 21:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 商社マンの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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