2014年10月02日

外国に総合商社はあるか?

 総合商社は日本だけに存在する稀有な存在として、広く海外でも(韓国やサウジアラビアなどを中心に) 日本の商社を自国に取り入れて経済を強化したいと、商社のノウハウを勉強しに来る人たちがいます。

 日本の7大商社の売上高を合せただけで、日本の年間GPD、470兆円の15%を占めるという巨大な存在なのですから、外国が興味しんしんなのは当然でしょう。それでは、海外にはソーゴーショーシャはあるのか? という素朴な質問に、専門書からお応えしましょう。
 
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 世界の商社

 現在、海外に日本の総合商社と同じ分類に属される企業がどれほどあるのであろうか。 「 Forbes Global 2000」 は、フォーブズ誌が毎年発表する世界の上場会社上意2000社のランキングリストである。

 売上高、利益、資産、株価総額の4つの指標に基づいて決められ、2003年以来毎年発表されている。日本の総合商社は Trading Company というカテゴリーに分類されている。このカテゴリーに属する企業は2000社中21社あり、うち11社が日本の商社である。

 日本勢の内訳を見ると、総合商社7社が入っており、トップ5を三菱商事から丸紅までが独占している。その他専門商社のJFE商事ホールディングス、阪和興業、日鐵商事、兼松が顔を見せている。

 興味深いのは、日本以外の10社であるが、ハンファ(韓火)、サムスン物産(三星)、ヒョースン(暁星)、LG商事など韓国企業が4社、香港、スイス、フランス、インド、中国、ドイツの企業がそれぞれ1社ずつ入っている。

  “Forbes Global 2000 における世界の商社( Trading Company )時価総額ランキング (2010年)”
 
        売上高(米国会計基準)  時価総額 2010年
1位 三菱商事  4兆8,600億円       4兆4,800億円
2位 三井物産  4兆3,800億円       3兆1,500億円
3位 住友商事  3兆900億円        1兆7,900億円
4位 伊藤忠商事 3兆6,600億円       1兆5,600億円
5位 丸紅    3兆5,100億円       1兆2,300億円      
6位 ハンファ(韓火)韓国 2兆5,800億円      2,800億円
7位 豊田通商  5兆4,600億円         6,800億円
8位 リーファン(季豊)香港 1兆3,500億円  2兆3,000億円
9位 サムソン(三星)物産 韓国 1兆5,900億円  9,100億円
10位 ウォールスレイ(スイス) 2兆700億円     9,500億円
11位 レクセル  (フランス)1兆6,000億円     6,100億円
12位 双日    4兆1,100億円     2,700億円
13位 アダニ (インド) 5,800億円   1兆4,400億円
14位 ミン・メタルズ(中国) 1兆3,800億円  6,300億円
15位 ヒョースン (暁星)韓国 8,600億円  2,500億円
16位 JFE商事   1兆9,400億円    1,100億円
17位 ブレンターク (ドイツ)1兆200億円  5,100億円
18位 阪和興業   1兆1,900億円    915億円
19位 日鐵商事   9,800億円      427億円
20位 兼松     9,200億円      471億円

 21社中、18社がアジアの企業であり、欧州企業は3社しかない。アメリカ企業は、2000社のうち536社、つまり全体の4分の1を占めているが、商社のカテゴリーには1社も入っていない。ちなみに日本企業全体では2000社のうち260社と全体の13%を占めている。

 以上のリストから、総合商社が全く日本独自のものかは別として、Trading Company という分野では、日本の総合商社は圧倒的な存在感を示しているのだ。

 第2に、日本の総合商社に似た商社が、韓国にはいくつかみられることである。サムスン物産、LG商事は、韓国財閥に属する企業であり、取扱品目が多様化している。1位のハンファは、当初、韓国火薬から始まって事業を多角化した。

 火薬部門と貿易部門で構成されており、後者では、石油化学製品、鉄鋼、機械、製紙、畜産、ハイテク・自動車および産業機械等の産業原資材、食料資源、生活用品などの輸出入と仲介取引を行っている。建設や、建材・化学品製造などの子会社も持っている。

なお、インドのアダ二は、鉄鋼関連やエネルギーの取扱いが多いが、総合商社的な展開をしているというえるかもしれない。中国のミン・メタルズは鉄鋼商社とみてよいし、香港のリーファンは最終消費財の扱いに特化しているようである。

 第3に、欧米には、総合商社はもちろん、巨大な商社というものが少ないことである。そして、ここにリストアップされた欧州の企業は、いずれも専門商社 (建設資材、電子部品、化学)とみられる。逆に言うと、巨大な商社ないし総合商社はアジアに多いということになる。

 少なくとも、日本の総合商社に匹敵する規模においては、現在他国に総合商社は存在しないが、韓国にはこれに追随する規模で似た商社が存在する、ということになる。

 【 引用: 総合商社の研究 − その源流、成立、展開 】


posted by ヒデキ at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 総合商社の機能と組織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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