2014年07月14日

シリコンバレーの起業家たち 『英語のシャワー』

 ”失敗といっても 「 スポーツで負ける 」 くらいのこと”

 " Founding a company or becoming involved with a start-up is like participating in exciting sports.

The risks are great, but so are the rewards." – Gordon Bell



“ 起業することや、スタートアップに関与することは、エキサイティングなスポーツに参加するようなもの。リスクは大きいが、その分、報酬もでかい。 ”  

 − ゴードン・ベル、 DEC(デジタル・エクイップメント・コーポレーション) の初期の社員として副社長まで務め、その後、起業家に転じる。

“ That’s the way to go! ” – People in Silicon Valley

 “それが進む道だ”
 − シリコンバレーの街の人々

 この言葉はシリコンバレーの雰囲気をよく表しています。アンディ・グローブがインテルに参画した1960年代と違って今は、起業といってもエキサイティングなスポーツをやるくらいのことなんだよとゴードンは言っているのです。

 ゴードンはアンディ・グローブと同世代なので、60年代当時の雰囲気は知り尽くしていて、今はそれに比べてうんと素晴らしい時代だという思いをこめて 「人生のプログラム」 を書きました。

 シリコンバレーをよく知るようになって本当に思ったのが 

「 いったい何なのだ、この地のこの明るさは。 」 ということでした。起業をめぐる悲壮感などありません。起業に失敗した話もからりとした調子で語られていました。そしてその明るさのすべてが、個人保証付きの借金をせずに会社を起こせる 「直接金融のメカニズム」 ゆえに生まれるものなのだと発見し、心から納得したのでした。

 「直接金融のメカニズム」 とは、“シリコンバレー流の起業” というプロスポーツのルールと言ってもいいかもしれません。この仕組みが洗練されてきたからこそ、「 起業とはエキサイティングなスポーツに参加するようなもの 」 だと言えるようになったのです。

 新事業の創出とは、そもそもおそろしく成功確率が低いものです。だから数多くの挑戦が行われないと一つの成功も生まれません。成功確率が低いということは、当然、投資したお金が戻ってくる可能性は低い。だから普通に考えればそんなに気前よくお金を出せる投資家はいません。

 でも挑戦の数を増やすためには、 「失敗しても返さなくてもいいお金」 を用意しなくてはいけません。失敗した起業家からお金を回収しないですむようにする (失敗しても返さなくてもいいお金を用意する) ためには、一握りの成功から大きくリターンを得るようにするしかない。これがシリコンバレーの発明でした。

通常の大企業の場合は、「事業が成功したときに生まれる事業利益」 を原資にして、研究開発や新事業創造のためのお金を回していきます。

しかしシリコンバレーは、株式公開時の 「資産側での富の膨らみ」 を原資としてたくさんの失敗を許容できるモデルを創造したのです。

 たとえば、7年がかりで累計50億円を投資した結果、売上高100億円純利益10億円の事業が創造できたとしましょう。これは新事業の創造としては大成功です。しかし 「生まれた利益」 を原資と考える感覚では、7年経っても投資のすべてが回収できていないから成功と考えることはできません。

 しかし7年経ったときに、この事業を仮に時価総額500億円くらいの会社として株式公開できる新興市場があったとすれば、話はまったく違ってきます。

 事業利益という確固としたリターンよりも先に、将来に利益を生む可能性を持つその時点での会社の価値を計算して 「資産側での富の膨らみ」 をつくり出す。そしてそれを原資にすることで、 「 失敗から回収せずとも、一握りの成功から大きくリターンがあるから、投資家にとってトータルでプラスになる環境 」 を創造したのです。

 ナスダックとか、東証マザーズのような新興市場への株式公開という仕組みが発明された結果、原資が回転するスピードが速くなり、数多くの挑戦を猛スピードで回すシリコンバレー流のメカニズムが生まれたのです。

 こういう 「失敗しても返さなくてもいいお金」 、リスクマネーをアントレプレナーに投資する金融機関をベンチャーキャピタルといいます。
 
 自宅の小さなガレージを学生に貸したら、そこでその学生がベンチャーを始めた、ガレージの貸し主にもお礼に一株分けてもらった。のちにそのベンチャーが成功したので一株で家が建った。 − そんな都市伝説が豊富にあるのがシリコンバレーです。

 (引用: ウェブ時代5つの定理)


(シリコンバレー精神 グーグルを生む風土)


 
posted by ヒデキ at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 英語のシャワー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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