2013年12月08日

『壮絶な人生』 

 ― 交友抄 伊藤忠商事専務、高柳浩二

 2008年1月7日深夜、枕元の電話が鳴り響いた。ヘリの墜落事故でボブ・チャンドランが死亡したという驚きの知らせだった。

 ケムオイル社のボブは1つ年上のインド系米国人、私が担当していた石油事業の合弁相手で、オックスフォード大の講師をつとめるインテリでもあった。
http://www.chemoil.com/default.asp

 無類の議論好き、仕事好き。24時間、365日仕事だけ考え続ける。合弁事業に利害関係はつきもの。自分の主張が通るまで譲らないので、こちらも頑張る。

 ゴルフ場ではプレーもせずにクラブハウスで激論。最後は互いにヘトヘトになって何とか合意にたどりつく。仕事は格闘技だと思い知らされた。

 ただ、いったん決まれば猛烈な行動力で事を成就する。やんちゃ坊主のようでどこか愛嬌があり憎めない。2006年には1年以上の議論の末、合弁会社上場に合意した。しかし、年央の石油価格下落で上場に失敗。

 さすがにそろって落ち込んだが、苦難の末、年末には何とかシンガポール市場上場にこぎ着け、抱き合って喜んだ。

 無一文で米国に渡り、上場後フォーブズの富豪リストにも載ったが、最後は墜落事故死という彼らしい壮絶な57年の人生だった。終生忘れえぬ友である。

 ( 引用: 日本経済新聞 ) 

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posted by ヒデキ at 13:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 商社マンの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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