2013年10月26日

総合商社の機能と組織 (29)

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前回より、商社の各部門について説明しております。

 金属部門 B
 
分社化、統合されていった非鉄金属部門

 ● 主要分野は、地金などの原料、伸銅品などの製品、LME取引などのノンフィジカル分野
 ● 原料は鉄鋼原料と合体、ノンフィジカルは金融部門に吸収された。

( ノンフィジカル分野 − 三井物産で主に使われた用語。非鉄筋属で地金などの現物取引をリアルとし、商品先物取引など現物取引できないものをノンフィジカルと呼ぶ。 ) 

“非鉄金属部門の変遷”

非鉄産業は鉄鋼産業とは異なり、国家の保護政策の恩恵にあずからず、厳しい国際商品市況にさらされてきたため、早期から海外に生産拠点を移した歴史がある。商社も国内取引は中核販売会社を設立して効率的な展開を図る一方で、鉄鋼原料を同様に古くから非鉄地金の資源確保に投資を行ってきた。

この分野が注目されたのは、金定期取引や金ディーリングで売上高競争を展開した1980年代頃である。当時の非鉄金属部門の主要分野は、銅地金やアルミ地金、亜鉛、貴金属などの原料分野、伸銅品や銅管、銅線、アルミ二次製品、管材などの非鉄製品分野、そしてLMEディーリングや商品先物取引など現物取引と区分されるノンフィジカル分野の3つに分けられた。

このうち非鉄製品分野については、住商メタレックス、丸紅メタル、伊藤忠非鉄マテリアル (現伊藤忠メタルズ) など、各社で中核内販売会社を擁しており、本体では非鉄原料分野とノンフィジカル分野を担当していたが、90年代以降、原料は鉄鋼原料と合体し、ノンフィジカルは金融部門に吸収され、非鉄金属部門が独立しているのは三菱商事のみである。

“金属製品部門の変遷と復活”

前述のような変遷を経て、鉄鋼部門と非鉄金属部門は金属製品部門と金属原料部門に再編された。金属製品部門についてみると、鉄鋼関連の製品販売事業は、分社型鉄鋼商社が誕生するかなり以前、すなわち80年代頃よりすでに鉄鋼建材、厚板、鋼管、特殊鋼、そしてトレーディング事業を商品分野別・業態別に分社し、効率化を図ってきた。

本体の指揮のもと、それらが傘下の鉄鋼問屋や代理店などとキメ細かい展開を行ない、拡販に注力した。しかし、アジア危機後の勃発を機に伊藤忠丸紅鉄鋼とメタルワンが分社統合を余儀なくされた。2社は早期の融合を果たし、環境の好転と相まって収益基盤を拡充、伊藤忠丸紅鉄鋼は設立以来、2009年3月に減益となるまで増益を続けてきた。

三井物産や住友商事は、統合鉄鋼商社を設立していないが、実質的には商品分野ごとの販売会社が実働部隊として機能しており、本体は大手高炉との関係維持・強化と戦略の企画立案を担っている。

三井物産は2007年〜2008年度に国内事業会社を三井物産スチールと三井物産鋼材販売に集約、収益基盤の拡充を図った。

住友商事の金属事業部門は、金属資源を含まない製品事業のみの組織であるが、パイプのグローバル展開という高機能なビジネスが資源開発ブームもあって高収益を上げている。

一方、海外展開では、統合会社を含む上位商社はいずれも北米やアジアなどの主要市場で、加工在庫機能を有するコイルセンター網を構築、家電や自動車などメーカーの海外進出増加を背景に、進出企業に加工度が高く適時適量納入を行なうデリバリー機能を提供しており、特に自動車関連ではドアのプレス加工など部品分野にまで業容を拡大している。

 ( 引用: 『よくわかる商社』 ) 


posted by ヒデキ at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 総合商社の機能と組織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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