2013年09月29日

総合商社の機能と組織 (27)

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今回から、商社の各部門について説明していきます。

 金属部門 @
 金属製品部門の再編と金属資源への投資


 ● かつては高炉向けの原料調達、製品輸出などで大きな役割を担った。
 ● アジア危機後、高炉メーカーが再編。伊藤忠丸紅鉄鋼、メタルワンが誕生

 “産業のコメ” が鉄冷えでお荷物に

 鉄鋼産業はかつて 「産業のコメ」 「鉄こそが国家の柱」 と言われ、戦後日本にとって産業の根幹をなす重要分野であった。

 高度経済成長を背景に、商社は高炉メーカー向けに鉄鉱石や原料炭の調達、鉄鋼製品の輸出と海外市場開拓などの機能を担い、三井物産、三菱商事、住友商事における鉄鋼部門の社内の位置付けは最も高かった。

 また、関西五綿と呼ばれた伊藤忠商事、丸紅、旧トーメン、旧ニチメンなどが総合商社に脱皮できたのは、この部門を取り込んだことによる。

 しかし、1970年代後半以降は鉄冷えとなり、高炉と自動車などの大口ユーザーの直取引や口銭率の見直しなどで商社の存在価値は薄れ、バブル崩壊や90年代のアジア危機でついに高炉メーカーの再編が起こり、商社では2001年に伊藤忠と丸紅の鉄鋼製品部門が伊藤忠丸紅鉄鋼に、2003年に三菱商事と旧日商岩井の鉄鋼製品部門がメタルワンにそれぞれ分社、統合するに至った。

 ただし、三井物産と住友商事は鉄鋼製品部門を社内に維持し続けた。

 一方、商社の金属資源への投資は30年以上前と古く、三菱商事の原料炭生産会社MDPや物産の鉄鉱石生産会社MIODなどはその代表例だ。これらは原料を右から左に流す取引と異なり、自ら生産事業に参画することで競争力の高い玉を抑えられ、鉄鋼不況でも利益を確保できた。

 つまり利益率の高い鉄鋼原料は本体で手がけ、利益率の低い製品を分社統合で外に出し、社員の転籍等でコスト削減を図ったわけだ。

 “資源価格の上昇で高収益部門に”

 悲壮感の漂っていた鉄鋼部門だが、分社統合会社が誕生した頃より環境がガラリ一変する。中国向けを中心に鉄鋼製品の輸出が拡大、鋼材市況が上昇し、伊藤忠丸紅鉄鋼、メタルワンとともに、予想を上回る収益を稼ぐ超優良会社に成長、結果的に分社が吉と出た。

 さらに鉄鋼原料の大幅値上げにより、三菱商事のMDPが2009年3月の持ち分で1,917億円を計上するなど、かつての斜陽部門から全社で最も稼ぐ高収益部門に大変貌をとげた。

 ( 引用: 『よくわかる商社』 ) 

posted by ヒデキ at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 総合商社の機能と組織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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