2013年09月17日

ハーバード・ビジネススクール (37)

 著者の姉妹ブログ、”外資系つれづれ日記” にアップしました! http://nekketsuotoko.seesaa.net/

 【 ハーバード・ビジネススクールの教授陣の著作より紹介します。連載記事はカテゴリー欄から通してご覧ください 】

 ハーバードが企業の上級管理者向けに提供しているAMP ( アドバンスド・マネジメント・プログラム ) は9週間のコースです。

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 リーダーシップ入門 − ジャック・ウェルチ・ウェイ

 AMPの卒業生で、K&Wマニュファクチャリングの社長、ビル・グリフィンは言う。

 ジャック・ウェルチのことを勉強して、業界のリーダーになれないなら経営は失敗だ、というのがウェルチの哲学だと思いこんでしまう人が多い。しかし、私がウェルチから学んだことは違います。ウェルチのやり方は、私がいま経営しているような小さな会社にも応用できると思います。

 うちの会社はとても業界のリーダーになれないでしょう。スタートした事業規模が小さすぎますから。でも、もっと大事なことを成し遂げたいと願うことはできます。規模ではかなわなくても、業績内容では業界ナンバーワンになれると思うのです。

 最良の製品やサービスを、最低の価格と最高の条件で提供できれば、会社の知名度や売上ランキングなどに関係なく、お客さんが集まってきます。

 こんなふうに考えてみたらどうでしょう。うちの会社は昔はもっと大きかった。製造や出荷のプロセスに問題があったために、いまのように小さくなってしまった。お客さんに会うと、よくこう言われる。X社の方ですね。昔はおたくからよく買っていましたが。。。

 うちの会社はいま、業績がめざましく伸びていますが、昔のお客さんが帰ってきたと考えることにしています。私たちはナンバーワンになると誓ってから、売上を2倍に増やしました。現在、3倍に増やすことを目標にしています。

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 ジャック・ウェルチの従業員に対する敬意は、リンカーン・エレクトリック・カンパニーの創業一族のひとり、ジェームズ・F・リンカーンの経営姿勢を受け継いだものともいえる。リンカーン・エレクトリックは1世紀以上にもわたり、高い尊敬を集めてきた企業であり、その長寿の秘訣は、明確な組織哲学にある。

 同社は、従業員に敬意を払い、チームに欠かせないメンバーとして従業員を扱う、開放的で協調的な組織につねに高い価値を置いてきた。ジェームズ・リンカーンがまとめた 「経営の観察記録」 はいまなお、新しさを失っていない。

 部下にやる気を起こさせ、抜群の成績をあげたいと思っている今日のマネージャーも、大いに学ぶところがあるはずである。

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“ ジェームズ・リンカーンの観察記録 ”

 ● カネよりもはるかに効果的なインセンティブがたくさんある。そのひとつが地位である。

 ● 労働者は別世界の生き物ではない。経営者と同じものを必要とし、同じ望みをいだき、同じ反応を示す。労働者は自分が罰せられる計画にはいっさい協力しない。

 ● 経営者は、会社が安定した収入を必要としていることを痛いほどわかっている。ところが、労働者もそうであることをうっかり忘れている。

 ● ほとんどの会社は、株主の支配下で、雇われ経営者が経営している。その結果、会社の目標が、顧客に喜んでもらうことから、株主への配当を増やすことに移ってしまった。

 ● 経営者は専門的な知識や技能のある労働者に仕事をしてもらう。その専門家をアゴでこき使っているかぎり、心からの協力は得られない。

 ● 給与、職の保障、昇進、敬意などの面で、時給労働者と同じ待遇を受けてみれば、経営者にも経営の真の問題が理解できるであろう。

 ● 適切に使えば、もっとも効果があるインセンティブは次の3つである。

 @ 生産に見合う昇給
 A 達成に報いる昇進
 B 労働者の貢献と技能の継承

 ● 労働者の仕事を正当に評価し、適切な賃金を払っていれば、公平を保てるだけでなく、労働者の間に協力的、生産的な競争意識が出てくる。

 ● 労使間の協調には、さまざまな形態と程度がある。能率と進歩への貢献と一口に言っても、黙々と働く人から、創意着想に飛んだ人まで、労働者にはいろいろなタイプがある。
 
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 この最後の項目を考えてみたいので、最近AMPを卒業したパシフィック・コープの経営幹部、マイク・ピットマンに経験談を聞いてみよう。

 『 AMPを受けて、静かな人のパワーに気づきました。それはこういう意味です。私たちはどうしても、個性が強い人に注目しがちです。会議室に飛び込んでくるなり、とうとうとまくしたてて、自分の考えをボードに書きなぐり、誰にも何も言わせない。

 そういう人がいますよね。たいていは、そういう人が意思決定にいちばん影響力をもっています。

 しかし、AMPを受講して分かったのですが、その手のタイプにはたしかに圧倒されるけれど、そういう人が必ずしも、よく考えていて、抜群の独創性があるとは限らないのです。むしろ、静かな人、会議を仕切るようには生まれてきていない人のほうが、すごいアイデアを持っていることが分かります。

 そうした人は、こちらから意見を聞かないと、なかなか口を開かないのです。

 AMPの受講中、生活をともにするグループの中に、マレーシアから来た人がいました。あまりに控えめなので、最初は僕らアメリカ人の基準で判断して、いてもいなくても同じ人だと思いました。ところがやがて、ぽつりぽつり話すのを聞いているうちに、その人が同じグループの中で一番頭がよく、有能だとわかってきたのです。

 この経験をしたおかげで、他人を押しのけるスタイルの人ばかり、ちやほやされることがいかに多いか、はっきりと見えてきました。そして、そのグループばかりに注目していると、同じように考え、同じように行動する人ばかり雇うことになります。それでは困ります。

 今日の複雑な状況に対応するには、さまざまなスタイルや技能や視野をもった人たちでチームを組む必要があります。だからこそ、静かな人のパワーを引き出すことが重要なのです。 グローバルな問題を扱うときには、なおさらそれが重要になります。』

 ( つづく ) 
 ( 引用: ハーバードAMPのマネジメント ) 


posted by ヒデキ at 22:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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