2013年07月13日

総合商社の機能と組織 (26)

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  市場開拓機能 − 自ら新しい需要を掘り起こし、新たなビジネスモデルをつくりだす。
 
  ◎ 国内の需要がなくなれば、海外に販路を求めて売り手と買い手を結びつける。
  ◎ 与信管理のためのリスク・マネジメント機能も。高度化して新事業に。

  ”グローバルな市場開拓機能” 

 商社は自らの機能や社外のネットワークを通じて、グローバルな需要の情報をキャッチし、
売り手と買い手を結びつける。国内で需要がなくなれば海外に販路を求め、新しい需要を掘り起こす。これが古くから商社に求められてきた 「市場開拓機能」 である。具体的な事例を挙げて説明しよう。

 商社の船舶ビジネスは、海運会社向けに船舶を販売してきたが、海運不況により海運会社は船舶を保有するのではなく、傭船と呼ばれるリースに切り替えた。このため、商社はまず傭船先を見つけて、それから中国や四国地方の船主 (船のオーナー) に傭船契約済みの船舶を販売した。

 これだけでも、売り先と買い先のニーズをマッチングさせるビジネスとして注目されるが、やがて国内では海運会社の合併などの合従連衡が活発化、今度は傭船先が国内になくなり始めた。そこで、商社が目を向けたのが欧州市場である。

 欧州の海運業者向けに傭船引当した船舶を国内の船主に販売したのだが、国内の船主が海外向け傭船に理解を深めたこともあり、今ではこのビジネスモデルが船舶部門のコアになっている。

 ”新技術分野で発揮する市場開拓機能” 

 一方、商社はグローバルな市場開拓だけでなく、新たに生まれた新技術分野でも市場開拓機能をいかんなく発揮している。その好例として、携帯電話の販売事業を見てみよう。

 商社は、携帯電話の発売以降、携帯電話の販売会社を設立、その拡販に大きく貢献してきた。各社は、特定のキャリア (ドコモなどの通信事業者) に的を絞り、第一次代理店として、自ら展開するショップや二次代理店の量販店、訪問販売業者など、さまざまな販売チャネルを確立して、販売台数を倍々ペースで伸ばしてきた。

 やがて、三菱商事と住友商事系の販売会社が合併してエム・エス・コミュニケーションズとなり、三井物産では傘下の3社が物産テレパーク (現、テレパーク) に統合、さらにエム・エス・コミュニケーションズとテレパークが合併して 「ティーガイア」 となるなど、合従連衡が進んだ。

 現在、ティーガイア、丸紅テレコム、伊藤忠系のITSネットワークは上場会社となり、高収益会社として親会社の業績に大きく貢献している。

 ”リスクマネジメント機能”

 商社のリスクマネジメント機能では、審査部の持っていた客先の与信管理機能も、他のコーポレート部門の組織が各商社機能として高度化したように、スキルアップしてきた。

 三井物産と旧日商岩井 (現、双日) は、審査機能を事業化、それぞれネット与信管理会社スーパーネットソリューションズと、リスクモンスターを設立した。商社の持つ与信機能は審査業務のアウトソース化の流れにも乗り順調に成長、リスクモンスターは株式上場を果たした。

 ( 引用: 最新 業界の常識  よくわかる商社 ) 


posted by ヒデキ at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 総合商社の機能と組織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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