2012年11月04日

商社の不思議 3

 さて、総合商社の経営陣は商社の存在意義をどう考えているのだろうか?

 三菱商事 小林健社長

 “米国駐在が花形” を終焉させ、BRICs攻略へ本腰

 − 過去10年を総括すると、これまでの投資がすべて成功したわけではないが、だいたい “9勝6敗” くらいのイメージ。この10年で、リスクを見極める力と、リスクへの対応力がついた。

 現在、日本の産業界では珍しく業界全体が黒字だが、商社不要論や冬の時代といわれたなかで、 “商事会社” という形態を常に見直し、高度化を図ってきたからこそ、今がある。

 − 今後の経営戦略は?

 米国駐在=花形 という時代は終わった。中国・インド・ブラジルは、必要な国々だが、当初は攻め切れていない。それゆえ、2012年度までの中期経営計画では、この3か国を全社戦略地域に設定した。

 ここには、経営主導で資金を充て、優秀な人材を送りこむ。副社長を中国に、常務をブラジルに送り込んだのもその一環だ。

 − 人材育成への取り組みは?

 事業投資先で経営を行うためには、社会的な全人格が求められる。その業界の人と同じ視点で向き合い信頼を得ることが大切だ。若い頃から経営者的な視点を持つ人材を育成する。

 人材を育てていくことには使命を感じている。当社はあらゆる産業とのパイプがあり、日本の産業の閉塞感を打破するような人材を育成・排出していきたい。

 − 他商社の注目案件は?

 自社のことで精いっぱいで、人様のことは言えない。ただ、「 衣食足りて礼節を知る
 」 の精神で、資源で収益が向上したぶん、今後はそれ以外の分野で社会に貢献することが必要だ。

 海外でのインフラ事業や水事業は、期間が長く投資リターンも低いが、人々の生活には欠かせない。こうした事業に、資源を還元することは大切なことだ。

 三井物産 飯島彰己社長

 日本と世界への貢献を軸に非資源分野の強化を推進

 − 過去10年を総括すると?
 
 骨折が治る過程で骨がより強くなるような時間だった。2002年の国後事件と2004年のDPFデータねつ造事件で、2枚のイエローカードを出された。この不祥事をきっかけに、企業理念の原点に立ち返って国や社会のためにより良い仕事とは何かを模索してきた。

 その過程で、IJPC ( イラン・ジャパン石油化学 ) のような困難な事業を完遂し、社会に貢献しうる投資や事業を展開してきたことあ、今、果実になっている。

 − 今後の経営戦略は?

 2011年は7000億円投資した。強みである資源分野の拡張に加え、特に非資源分野を強化する。将来的に、資源と非資源の収益構造を、現在の8対2から6対4程度にしたい。

 具体的には、アジアで人口増加と高齢化が進むなか、IHHSB (への出資) を手始めに、ヘルスケアの分野で将来に向けた布石を打つ必要がある。ほかにも再生可能エネルギーなどやることは多い。

 − 人材育成への取り組みは?

 「 人の三井 」 と呼ばれるわが社はもちろんのこと、商社の最大の財産は人。人を鍛えておけば、どんな環境でもゆるぎない経営ができ、会社を永遠に次の世代へと存続させることができる。

 グローバル化で、今までとは異なる人材育成をしていく必要がある。多様な文化や価値観を受け入れる柔軟性と度量を持った社員を育てる。

 − 他商社の注目案件は?

 特にない。現在の商社は、それぞれ傾注する地域や事業領域やビジネスモデルが異なるからだ。それゆえ、各事業分野には、それぞれの世界のリーディングカンパニーを見習い、目指すよう指示している。
posted by ヒデキ at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 商社の不思議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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