2012年10月29日

商社の不思議 2

 ブランドからアニメまで至る所に商社の影

 刑務所事業だけでなく、われわれの想像以上に “商社印” が刻印された商品、サービスは広がっている。

 「レスポ」 の愛称で有名な、あらゆる年代の女性の支持を集めるバッグブランド 
「 レスポートサック 」。 その世界展開を取り仕切っているのが、伝統的に繊維部門が強い伊藤忠商事だ。

 企画からマーケティング、生産管理、そして販売まで行うバリューチェーンを展開する主力商品の一つだ。

 もともと、米国ブランドのレスポは、先進国でこそ知名度があったが中国では無名。そこに目をつけた伊藤忠は2001年、中国での事業展開をもくろんで買収にこぎだした。

 「 外国人になめられないように 」 と、そりあげた頭に日焼け肌、襟元を大きく開けたファッションで決める細見研介・伊藤忠商事ブランドマーケティング第3部門長は、交渉時、むちゃくちゃな条件を出す女性オーナーに日本語で

 「 そんな条件がのめるか 」 と言い、テーブルをひっくり返したという。

 現在の年間500万個の生産量は、単一のブランドとしては世界一だ。ゼロからスタートした中国事業も現在90店舗に広がり、派手好み中国女性のハートをがっちりつかんでいる。

 だが、その背後に日本商社がいることを知る者はまず存在しない。

 同様に、主婦や一人暮らしに人気の自動掃除機 「ルンバ」 は、住友商事が40%出資するジュピターテレコムのケーブルテレビ事業 “J−COM” で、住友商事が放映権を持つ 「 ショップチャンネル 」 から火が付いた。

 また、三菱商事は、子供に人気のアニメで、ベイゴマブームを起こした
 「 爆転シュート ベイブレード 」 の商標権を持ち、同社が32%を持つローソンなどでキャラクタービジネスを展開する。

 このほか、住友商事が96%を出資する映画配給会社、アスミック・エースエンターテインメントや、丸紅が商標権を持つ山ガールの定番アイテムとなったアウトドアブランド 「 メレル 」 など、商社が流行の陰にいるケースは、枚挙にいとまがない。

 だが、それぞれの事業会社の顔は見えても、そこから投資利益を得る商社の名前が、表舞台に出ることはほとんどないのである。

 事業投資による利益の推移からもわかるように、現代の商社は、資源を中心としてあらゆる事業に参入する “投資銀行” へと変質した。彼らの存在感は明らかに増している。

 その一方で、商社マンは口癖のように 「 われわれは黒子 」 とこだわり続ける。 「 黒子 」 の言葉は、日本のメーカーを陰で支え続けた “ミドルマン” としての矜持 (きょうじ) でもあり、特有のしたたかさの表れでもあり、また商社を得体のしれない存在に追いやる元凶でもある。

 【 総合商社図鑑 未来をつくる仕事がここにある 】


posted by ヒデキ at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 商社の不思議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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