2012年10月21日

商社の不思議 <1>

 まさに “ダボハゼ” 経営! 海外からも不思議と映る商社

 海外投資家も正体不明と首をひねる総合商社。近年の収益構造はまさしく 「資源会社」 だが、 「 なんでもやる 」 という雑食性は今も昔も変わらない。投資事業でいかんなく発揮されている。

 − 岐阜県笠松町にある女子刑務所。昨年4月、この笠松刑務所で、商社の “雑食ぶり” を象徴する事業がはじまった。日本の刑務所の職業訓練に初めて取り入れられた 三井物産が仕掛ける “ネイリスト” 養成事業だ。

 法改正により法務省は既存の刑務所の一部業務につき民間委託を決めた。その第1号案件の入札を勝ち取ったのだ。

 なぜ華やかなイメージを持つ商社が、堀の向こう側のPFI事業へ踏み込んだのか?
三井物産パブリックサービス事業室の矢島聡マネージャーは 「 刑務所が、長期安定した大口の顧客になると判断した。」 と言う。

 あえてニッパーやシンナーなど、刑務所ではタブ−だった道具を利用する 「 ネイリスト養成 」 案を組み込んだことが、入札を制した決めてだったという。リスクを取りにいく商社らしいアイデアだ。

 事業主体は、三井物産が48%を出資する関連会社、エームサービスだ。現在の商社は、その事業会社の数だけ違う “お面” をかぶっている。

 「 何を生業としている会社なのか、海外投資家にいちばん理解してもらえないのが日本の総合商社だ。 」 そう皮肉るのは、マッコーリーキャピタル証券のポリーナ・ディアチキナ・シニアアナリストだ。

 しかし、商社という存在の 「 得体のしれなさ 」 は、外国人のみならず、いまや大半の日本人にも共通したイメージだ。

 ミドルマンから変質 利益の大半は資源頼み 

 古くは1960年代の “ 商社斜陽論 ” に始まり、21世紀に入るまで、商社は、経済界においてその存在意義を疑問視され続けてきた。

 力をつけたメーカーによる直接取引が増え、伝統的な口銭ビジネスが、その活躍の場を徐々に失っていったからだ。

 今年、5000億円の利益を叩きだしている三菱商事の10数年前、1999年の純利益はわずか100分の1にあたる56億円にすぎない。目下、空前の利益を上げ続ける大手総合商社は、今まさに “夏の時代” にある。

 いったいなぜなのか? その理由は、ひと言でいえば資源価格の高騰だ。

  三菱商事で言えば、純利益のうち7割を資源・エネルギー分野が稼ぎ出す。昨年度、三菱商事に次ぐ利益を上げた三井物産も8割弱という収益構造だ。現在の商社の利益規模は、そのまま、各商社の鉄鉱石や原料炭、銅など資源権益の保有量に比例している。

 実際、海外投資家が投資先として比較するのは資源メジャーだ。ディアチキナ・シニアアナリストが 「 商社がミドルマン ( 中間流通業者 ) 」 と言われた時代は過去のもの 」 と言うように、もはや商社は trading company ではなく、資源会社と位置付けられている。

 たとえば、三井物産の鉄鉱石の輸出量は、ヴァーレなどに次ぐ4番手。この解釈も妥当だ。

 ところが、である。当の商社自身は、資源会社と呼ばれることを極端に嫌う。純利益に占める資源・エネルギー比率の相対的な低下は、各商社のほぼ共通した目標だ。今の繁栄は、資源にあぐらをかいたあだ花ではないかという恐怖感が、各商社の根底にあるからだ。

 それを如実につきつけたのが、リーマンショック。資源価格の暴落に伴う利益の急減だった。

 だが、そのある意味で “優柔不断” な態度ゆえ、商社に対する海外投資家たちの動きはすこぶる鈍い。クレディ・アグリコル証券のジョン・バワーズ・リサーチアナリストは、 

 「 正直言って、特に最近は何に投資しているのか、どんどんわかりにくくなっている 」 と本音を漏らす。彼らの目には、今の商社はまるでヌエかキメラのごとく奇妙な存在として映っている。

  ( つづく ) 

 ( 引用: 週刊ダイアモンド )
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【 日本の7大商社 − 世界に類を見ない最強のビジネスモデル 】

posted by ヒデキ at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 商社の不思議 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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