2012年09月24日

総合商社の機能と組織 (20)

 金融機能 

 資金調達、与信供与に加え資産運用やバランスシート管理機能が発展
 
 ◎ 商社の金融機能は財務部においてノウハウが蓄積されてきた。
 ◎ 従来は営業の支援に当たっていたが、金融技術を磨き、財務部の一部は営業組織となった。

 商社金融から高度化した金融機能 

 商社の金融機能 ( FT : Financial Technology ) は、情報技術 ( Information Technology )、物流機能 ( LT: Logistics Technology ) とともに、中核的機能の一つと目されている。

 商社の金融機能のノウハウは、財務部を中心に蓄積されてきた。その主要な機能は @ 資金調達、 A与信供与、 B資産運用、 Cバランスシートの管理、 などに大別される。

 これらの金融部門は本社及び営業部門向けの機能提供が中心であったため、コーポレート部門に属していたが、その一部は相次いで営業化された。

 これは資産運用の業務が金融ビッグバンやITの革新を背景に、運用手法の向上、投資対象の多様化、ファンドや流動化ビジネスなど新しい形態のビジネスの登場等々で、主体的に収益を生み出すことが期待されているからだ。

 @ の資金調達は、本体の調達が主要業務であるため、コーポレート部門の財務部に残されている。融資関連業務ではほかに、プラント関連の大型プロジェクトで日本や他の先進国の開発援助等を目的に低金利で国が貸し出す制度金融を活用したプロジェクトファイナンスの組成など高度な金融技術を持っている。
 
 A の与信供与は、いわゆる “商社金融” と言われる部分で、取引先に対して融資、保証、延べ払い取引、手形取引等の信用を供与する取引である。

 商社は銀行から多額の資金を調達し、取引先企業へ融資や保証などの与信を供与することで企業の育成・成長に重要な役割を果たしてきた。

 最近は連結経営の強化を目的に、グループ企業向けなどにファイナンス機能を提供する子会社などが競争優位性のある低金利の安定資金を供給する動きがある。

 資産運用にも追い風が

 B の資産運用では、従来は貿易取引における為替変動のリスクを低減させるために為替先物取引を行っていたが、やがて為替ディーリングや株式、債券などの有価証券の売買で、運用益を狙うようになった。
 
 バブル経済時代には特定金銭信託やファンドトラストを設定して、株式運用に狂奔したが、バブル崩壊とともに、資産運用が社内でも目の敵とされるようになった。

 しかし、高度な運用技術を用いたファンドやプライベートエクイティ ( 未公開株式 ) 投資など、海外現地法人などを通じて欧米の進んだ運用技術や金融商品を国内に紹介する金融事業に注目が集まり、さらにはITとの融合によるネット証券、ネット決済事業などを新設する動きも活発化、金融ビッグバンなどの規制緩和も追い風となり、この担当組織の営業化が進んだ。

 C のバランスシートの管理は、財務体質の健全性を確保する機能であり、財務部は経理部とともに注力している。昨今は株主資本の充実や有利子負債の削減などを進める重要な役割を担ってきたが、各社とも大幅に財務体質を改善しているのは周知のとおりだ。

 ( つづく )

  ( 引用: よくわかる商社 ) 


posted by ヒデキ at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 総合商社の機能と組織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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