2020年02月23日

ゴールドマン・サックス証券(7)

アーク森ビル .jpg

 ― 内定

 そんな恐怖の4時間の面接試験が終わってやっと解放され、
 「お疲れ様でした。長かったから大変だったでしょう。今日はこれで終わりです。」とねぎらう秘書のIさんの言葉を振り切るように、トイレに駆け込んだ。

 こうしてやっと最後の面接を終了した。
 ヘッドハンターからスカウトの話が来た4月から3か月も掛かってやっと入社試験を終了した。
 
 やがて季節は夏となり、半袖のワイシャツで勤務先だったドイツ系銀行に通っていたが、ゴールドマン・サックスは着ている物が違うので、その時だけは、絹が艶々と輝く100%の長袖ボタンダウンシャツで内定式に出かけて行った。

 ミックの秘書Iさんから、「入社の条件についてお話があるので」という電話を受けたので、ヘッドハンターに電話で相談すると、
 「オファーレター(内定通知書)をもらうまでは勤務先に辞表を出すな。年収に合意すれば、オファーレターにサインして、勤務先に辞表を出せば良い。多分、桁違いだと思うよ。」というので、本当かどうか知らないが、期待を持って出かけた。

 何回か来た赤坂アークヒルズの、重厚なマホガニー色で象られたゴールドマン・サックスのオフィスは、それまでの自分の人生には無い別世界だと感じていたが、改めてこれから自分もその一員になるのかと思うと、全身が興奮した。

 甘いバニラの香りをしたフレグランスをふりまき、上品な金のネックレスをまとった日本人の幹部が会議室に入ってきて、オファーレター(内定通知書)を手渡した。

「ヒデキさんには年収何千何百万円で弊社に入って頂きます。」と切り出され、リポーティング・ライン(直属の上司)はミック(日本人です。念のため)であることを伝えられた。

 勤務先で使っているレターヘッドとはだいぶ違う、厚くて上品なアイボリー色の紙にオファーが書かれ、品格が漂っていた。
 よく日系の大手証券会社やメガバンクからゴールドマン・サックスに転職すると、年収が2倍、3倍になると聞いていた。確かに、当時の英文年次報告書には、社員の平均年収が3,300万円と記されていた。
 
 社長と新入社員の収入格差が約20倍と小さい日本企業からすれば信じられないかもしれないが、アメリカの大企業はそれが大きいと400倍も差があり、現に投資銀行のマネージング・ディレクターと呼ばれる経営陣や、稼ぎ頭のトレーダーは、年収10億円も珍しくなかった。
 
 ドイツ系銀行から米国投資銀行に転職するのは、広島カープからニューヨーク・ヤンキースに引き抜かれるくらいの違いがある。
世界のメジャーリーグで、欧米の選りすぐりの頭脳に交じって金融の世界でプレーをするという現実に、全身からアドレナリンがバンバン噴き出してきた。

 年収など2の次、3の次で、「世界の檜舞台に立てた!!」
という現実の方が、余程嬉しかった。

 ゴールドマンのオフィスを後にし、地下鉄千代田線の赤坂駅に向かう道すがら、カフェに立ち寄り、アイスコーヒーを片手に、もらったばかりのオファーレターをまじまじと眺め、この手紙で自分の人生がガラリと変わるのだと、心に織り込んだ。

 浜松の片田舎から貧相なジーンズをはき、野心だけを手に、偏差値50代の “日東駒専”に入った僕が、外資系金融にはいり、やっとメジャーリーグでプレーする日が来たのだ。浜松の両親に電話をすると、まるで自分のことのように喜んでくれた。
    (つづく)


【外資系天職を勝ち取る】


慶應義塾大学理工学部応用化学科卒業、一貫して外資系化学・製薬受託企業日本法人でセールスエンジニアのキャリアを積む。
大学新卒で勤務した1社目、勤続18年余りで退職勧奨を受け、不本意ながら44歳で辞職。
失業わずか9日のブランクを経て2社目に就職すると同時に「自身を磨き上げる」目的を行動に移す。
ヘッドハントされて50歳から3社目に転職。販売困難な特殊技術を売る「最後の砦」のセールスエンジニアとして悪戦苦闘するも、2年後にポジションクローズを言い渡され、52歳の高齢で余儀なくされた転職活動を経て現在4社目に勤務。
明確な目標を達成するため意欲的・刺激的な毎日を過ごす。
深く考える・読書・さまざまな自己啓発・趣味を通じて自身で構築したノウハウを礎に、3度の転職ですべて満足度と収入両方のアップを勝ち取る。
1社目入社直後に受けたTOEICは430点。以後アウトプットを中心とした方法で「伝える英語」を習得し、現在は業務英語を自在に操る。
宇都宮市の自宅から東京までの新幹線通勤歴22年、乗車総距離は地球30周に相当する。
趣味は献血(258回)とランニング、フルマラソン完走21回(ベストタイム3時間00分17秒)
国家資格キャリアコンサルタント
posted by ヒデキ at 22:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

時間管理術は磨けば磨くほど奥が深い

 ひとり何役も仕事をかかえていると、時間の使い方を工夫することで成果に大きなちがいが出てきます。
働きすぎて自分がすり減ってしまわないためにも、自分に休養をあたえるためにも、時間管理術を磨き上げていくことは大切だと思います。

 一日はだれにでも24時間しかありません。当然ですね。でも、時間管理術を磨けば磨くほど、24時間を27時間分に変えられるし、生産性もあがります。その上、やりたかったけど時間がないから出来なかったことも、いくつも出来るようになります。時間管理術の産む、奇跡です!

 私も自分流の時間管理術で、限られた時間の密度を濃くしてきました。

 ― 複数のことを同時にする。通勤電車はあえて各駅停車で座って移動。電車内で読書、仕事をする。
移動時間は極力、仕事、勉強、メッセのやり取りに転用。

 ― エスカレーターは右側の追い越し車線をトントン駆けあがって、移動時間を短縮(関西地方は左側です)

 ― 湯船につかっている15分は読書にあてる。もちろん、本は水分を吸ってふにゃふにゃになってしまうから、捨ててしまい、また同じ本が読みたくなったらBOOK OFFで買う。

 ― すきま時間を使って、クロスバイクを駆って郊外の里山をかけめぐる。樹木に癒され、マイナスイオンをたっぷり吸って、感性を豊かにする。

 ― 夜は手帳に今日一日の反省を書き込み、同じ間違いをしない、明日は今日より成長するようにする(株式投資をする人など、一日のトレード・メモを書くことで、驚くほど腕前があがります。失敗パターンをすべて記憶できるからです。)

 ほかにも私の時間管理術はいくつもありますが、他の人が実践して仕事の成果を上げた!という本も積極的に読んで活用します。外資系コンサルティングファームのマッキンゼーとか、ボストンコンサルティングの出身者の書かれた時間管理術など、超おもしろいです。1日に14時間から16時間と、超人的な激務をこなしている人たちです。

 ボストンコンサルティングで活躍された女性は、「朝4時おきですべてがうまく回りだす!」(PHP研究所)との本を執筆されていますが、「そこまでするか!」 と驚きました。

“人には追い込み力というとてつもないパワーが存在します” という話には感銘を受けました。
もともと、ワタミフードサービスで働いていた氏は、渡邉美樹社長から、

「一日24時間、365日戦え!」と、とてつもないプレッシャーを受け、お客様からの注文をたてつづけに受けながらキッチンで仕事をされていたそうですが、1分1秒を争うような経営コンサルティング会社に入ってからは、
毎朝4時起きの生活に変えることで、自身の生産性を上げて行ったのだそうです。

お客様の企業の生産性、利益を上げるためにいくつもプレゼンを抱えているのですが、多忙なときは出発の10分前にプレゼンのスライドを作ったこともあるそうです。つまり、火事場のバカ力ですね!

ふつうだったら、そんな危ない橋は渡れませんし、ハラハラしますし、能力的にも不可能なレベルですね。
なぜそんなことをするのか不思議なのですが、「制約条件がクリエイティビティを育てる」
のだそうです。

  期限まであと1週間あるから、ゆっくり資料を作ろうね!などと、のんきなことを言っていると、なかなか仕事が進まない。ダラダラと仕事をするよりも、極限まで追い込んだときのほうがクリエイティビティが発揮される。

普通の精神状態から生まれた考えはたいてい、普通になりがちだが、追い込まれたときの精神状態からは、卓越したクリエイティビティが出てくるのだそうです。脳内ドーパミンがバンバン出るのでしょうか。
さすがは外資系コンサルティングファームです!

また、それだけ超多忙な仕事をしながらも、ボストンコンサルティングには、ワインやバンド活動、中国語といった卓抜した趣味を楽しむ幹部もたくさんいたそうです。「何かひとつのことに秀でた人は、仕事も趣味も手を抜かない」 という共通点を見つけたそうです。

なぜそんな不可能が可能になるかというと、「集中力が他人とくらべて並外れて高い」からだそうです。
仕事が多忙で趣味ができない、となげく前に、“やりたい” という情熱を、並外れた集中力に変えて早く仕事を終わらせるから出来るのだそうです。

 世の中の卓抜した実績をもつ人たちから、時間管理術をまねして、自分の生活に取り入れれば、成長のスピードは、ものすごく速くなると思います。

そんな中でも、自分の体力が消耗しないよう、疲れたら休む。オフィスで机につっぷして昼寝する。
睡眠時間を7時間は取る。といった健康を保つ、病気から自分の身を守ることだけは忘れません。

 【朝4時起きですべてがうまく回りだす! 池田千恵】


posted by ヒデキ at 11:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする